衣類の処分方法|実家に残った大量の服を手放す順番と分け方

捨てにくいモノの始末

実家の押し入れを開けると、服がぎっしり詰まっていることがあります。ごみ袋に詰め始めたら5つ、6つと増えて、そこで手が止まります。

まだ着られそうな服を袋に入れる手は、どうしても重くなるものです。

衣類は「誰かがそのまま着られる状態か」で3つの山に分ければ、行き先はそのまま決まります。 当サイトは片付けや不動産の売買を請け負う事業者ではなく、公的資料にあたる立場から書いています。

分け方、売る道、資源として出す道、ごみに出す道の順に整理しました。

なお、親の服や故人の服を分けるときは、山を作る前に全体を写真に撮っておいてください。撮り方は後半で説明します。

ごみの区分と回収の条件は市区町村で違います。判断に迷う点は、実家のある市区町村の窓口で確かめてください。

確認の順番で迷ったときは、お問い合わせからご相談ください。個別の判断はお答えできませんが、順番の整理はお手伝いできます。

  1. 衣類の処分は3つの行き先に分けてから始める
    1. 行き先を3つに絞ると、仕分けで迷わなくなる
    2. 分ける基準は「そのまま着られる状態か」だけ
    3. この記事で扱わないことと、先に読みたい記事
  2. 実家の服が想像より多く残るのはなぜか、数字で見る
    1. 持っている服の45%はしまい込まれている
    2. 手放した服の半分以上は焼却や埋め立てに回る
    3. 手放すときは、まずリユース、次に資源回収
  3. 売る・譲るという道が向いているのはどんな服か
    1. そのまま着られる服だけが買取の対象になる
    2. フリマアプリと店に持ち込む道は手間が違う
    3. 譲る・寄付をするときに先に確かめたい条件
  4. 資源として回収に出す道は3つ、条件は市区町村で違う
    1. 市区町村の資源回収と集団回収はどこが違うか
    2. 古着回収ボックスに出せるものと出せないもの
    3. 資源回収に出す前に確かめておきたい5つの条件
  5. 可燃ごみ・不燃ごみに出すときの手順と量の上限
    1. 衣類は多くの市区町村で可燃ごみとして出せる
    2. 1回に出せる量に上限を設けている市区町村がある
    3. 量が多いときの分け方と、清掃工場への持ち込み
  6. 故人の衣類を家族で分けるときの順番と決め方
    1. 写真を撮ってから分けると、後で揉めにくい
    2. 喪服・礼服と、値がつくものは別に分けておく
    3. 気持ちが動かないときは保留の箱を1つ作る
  7. 業者にまとめて頼むときに確かめる3つのこと
    1. 袋の数を数えてから見積もりを頼むと話が早い
    2. 家庭のごみを運ぶには市区町村の許可が要る
    3. 買取と回収をまとめて頼むときに見るところ
  8. 実家の衣類の処分でつまずきやすい4つの疑問
    1. 下着や靴下、肌着は資源回収の対象になるのか
    2. 雨に濡れた服や汚れた服はどうすればよいか
    3. ハンガーや衣装ケースも一緒に出してよいか
    4. 防虫剤のにおいが残っている服も売れるのか
  9. まとめ|衣類は3つの山に分けてから行き先を決める

衣類の処分は3つの行き先に分けてから始める

衣類を手放すまでの4ステップ

服の行き先は3つしかありません。売る・譲る、資源として回収に出す、可燃ごみ・不燃ごみに出す、の3つです。

分ける基準も1つだけで足ります。「まだ着られるか」ではなく「誰かがそのまま着られる状態か」で見ると、判断が速くなります。

この基準で山を作れば、あとは山ごとに出し先を決めるだけです。仕分けの途中で「これはどうしよう」と止まる回数が、目に見えて減ります。

衣類は、仕分けだけなら思い立った日に始められます。まずは全部を出して3つの山を作り、袋の数を数えるところから始めてください。

行き先を3つに絞ると、仕分けで迷わなくなる

処分方法を並べた記事を読むと、選択肢が7つも8つも出てきます。読み終えても決められないのは、選択肢の数と、判断の数が合っていないからです。

実際に決めるのは3つのうちどれか、それだけです。売り先が店なのかフリマアプリなのかは、山が決まってから考えれば足ります。

行き先 向いている服 かかる手間 費用 注意点
売る・譲る 洗ってあり、そのまま人が着られるもの 大きい(撮影・出品・梱包、または持ち込み) 収入になることがある 全部が売れる前提で日程を組まない
資源として回収に出す 着られるが売り物にはならないもの 中くらい(洗って乾かす・指定の日に運ぶ) 多くは無料 出せる品目と条件が市区町村で違う
可燃ごみ・不燃ごみに出す 落ちない汚れ・破れ・取れないにおいがあるもの 小さい 指定袋の代金 1回に出せる量に上限がある場合がある

3つの山ができたら、袋の数を数えておいてください。数が分かると、次の相談も見積もりも早く進みます。

親の服や故人の服なら、山を作る前に写真を撮っておきます。

分ける基準は「そのまま着られる状態か」だけ

「まだ着られる」で判断すると、ほとんどの服が残ります。洗えば着られる、直せば着られる、という余地がいくらでも出てくるからです。

そこで基準を受け取る側に置き換えます。人に手渡したときに、その人がそのまま着られるかどうかで見ます。

洗ってあって、毛玉やほつれがなく、においも残っていない。この3つがそろっていれば1つ目の山です。

着られるけれど人には渡しにくい服が、2つ目の山です。洗っても落ちない汚れ、破れ、取れないにおいがあるものは、迷わず3つ目です。

この記事で扱わないことと、先に読みたい記事

着物と和装はここでは扱いません。価値の見極め方も手放し方も別なので、着物の処分方法は?売る・譲る・供養の選び方を読んでください。

布団・毛布も衣類とは扱いが分かれます。素材によって行き先が変わる点は布団の処分方法は?自治体の区分と打ち直しの選択肢にまとめました。

売れるものの見分け方は実家の片付けで売れるものは?見分け方と売り先、中身を出した後のタンス本体はタンスの処分方法は?費用の目安と搬出の段取りで扱っています。

なお、引き取りの予約と前日の準備が要る冷蔵庫の処分方法|実家の1台を手放す順番と料金の決まり方とは、順番が逆になります。家電は先に手配、衣類は仕分けから始めると覚えておくと、段取りが組みやすいはずです。

実家の服が想像より多く残るのはなぜか、数字で見る

押し入れから出して畳の上に広げた大量の衣類

押し入れから大量に出てくるのは、その家だけの話ではありません。環境省の推計では、持っている服の45%が使われずにしまい込まれているとされています。

1年間に一度も着られていない服も、1人あたり24着あるという調査結果が示されています。量に驚いて手が止まるのは、片付けが下手だからではありません。

数字を知っておくと、判断の後ろめたさが少し軽くなります。ここでは、手放した後に服がどこへ行くのかも合わせて見ておきます。

持っている服の45%はしまい込まれている

環境省は、消費者アンケートの分析と家庭への新品衣類の投入量の推計から、家庭にある服の45%が使われずにしまい込まれているとしています。推計の対象年は2023年です。

同じ資料では、1年間に一度も着られていない服が1人あたり24着という数字も示されています。購入する枚数のほうが手放す枚数より多い、という傾向もあわせて指摘されています。

実家は、その積み上がりが何十年分も残っている場所です。長く住んだ家ほど、押し入れの奥に眠る量は増えます。

環境省も「たくさんの服がしまい込まれていると、引っ越しの際など、大量に廃棄してしまうことにつながってしまいます」と書いています。実家じまいで直面しているのは、この場面そのものです。

手放した服の半分以上は焼却や埋め立てに回る

服を手放す手段は、環境省の整理では大きく3つに分かれます。古着として譲渡や売却をする、資源として、または地域や店舗で回収してもらう、可燃ごみ・不燃ごみとして廃棄する、の3つです。

このうちリユース・リサイクルを通じて再活用される割合の合計は約42%とされています。裏を返せば、焼却や埋め立てに回るぶんのほうが多い、ということです。

環境省は、リユース・リサイクルされずに焼却・埋め立て等により処分される量を年間で約46万トンと示しています。これは大型トラック約130台分を毎日処分している量にあたる計算です。

政府は、家庭から廃棄される衣類の量を2030年までに2020年度比で25%削減する目標を掲げています。1軒分の押し入れの中身も、この数字の一部です。

手放すときは、まずリユース、次に資源回収

環境省は、できるだけ服を長く大切に着て、手放すときはまずリユース品として他の人に使ってもらえないかを確認することが重要だとしています。難しい場合には、資源回収として出してリサイクルするなど、できるだけごみとして廃棄しないように、とも書いています。

この順番は、実家の片付けにもそのまま当てはまるはずです。3つの山のうち1つ目を先に見て、次に2つ目を見る、という順です。

ですから、全部を資源に回そうと構える必要はありません。3つの山のうち、資源に回せるものだけを分ければ十分です。

手間の総量を減らすコツは、仕分けと運搬を別の日にすることです。仕分けだけ済ませて袋に色分けしておけば、運ぶ作業はほかの家族にも頼みやすくなります。

(出典)環境省:サステナブルファッション ファッションと環境

売る・譲るという道が向いているのはどんな服か

買取に出すために畳んで紙袋に入れた上着

買取や譲渡に回せるのは、洗ってあって、そのまま人が着られる状態の服だけです。ここを広く取ると、持ち込んでから断られて持ち帰ることになります。

環境省の推計では、バザーやフリマアプリ等で市場に再流通する量は、手放す衣服全体の3割程度とされています。全部が売れる前提で日程を組まないでください。

売る方法は、時間がかかる選択肢でもあります。実家を空ける期限が決まっているなら、売れるかどうかの見極めは早めに切り上げるのが現実的です。

そのまま着られる服だけが買取の対象になる

買取の店が見ているのは、次の人に売れるかどうかです。毛玉、ほつれ、黄ばみ、においのどれかがあると、そこで外れやすくなります。

タグが付いたままの新品や、シーズンの合う上着は、比較的そのまま持ち込める部類です。逆に、下着や肌着、実用衣料は対象外にしている店が多い部類です。

中古の衣類を業として買い取り、再販売する事業者には、古物商の許可が必要です。店頭やサイトで許可番号を確かめられます。

売れるものの見分け方は、衣類に限らず実家の片付けで売れるものは?見分け方と売り先にまとめました。着物と和装は基準が別なので、着物の処分方法は?売る・譲る・供養の選び方を参照してください。

フリマアプリと店に持ち込む道は手間が違う

フリマアプリは、1点ずつ撮影して説明を書き、売れたら梱包して送ります。値は付きやすい一方で、1点あたりの手間が大きいのが特徴です。

実家に何十着とある状態で、この方法を全部に使うのは現実的ではありません。数点だけ選ぶ、という使い方が向いています。

店への持ち込みなら、まとめて査定してもらえるのが利点です。手間は小さくなりますが、1点ずつの値は付きにくくなります。

どちらを選ぶかは、残っている時間で決めてください。 実家に通える回数が限られているなら、まとめて持ち込む道のほうが確実に進みます。

譲る・寄付をするときに先に確かめたい条件

知人に譲る、団体に寄付する、という道もあります。ただし送れば喜ばれる、とは限りません。

受け入れ側には条件があります。送る前に、次の5つを確かめておきます。

  • 季節:今の季節に合うものだけを受け付ける先がある
  • サイズ:大人用・子ども用など、受け入れる範囲が決まっていることがある
  • 状態:洗ってあり、そのまま着られるものに限られる
  • 点数の上限:一度に送れる箱数や枚数が決まっている先がある
  • 送料:どちらが負担するかで、実質の費用が変わる

環境省は、リユース率には海外へ輸出される衣服が含まれると注記しています。そのうえで、古着の海外輸出は輸出先国の現地産業に影響を与える懸念があるとして、国内でのリユースを進める必要があるとしています。

寄付は良いことだと決めつけず、条件の合う先を選ぶ。この順番で考えると、後で困りません。

(出典)環境省:サステナブルファッション ファッションと環境

(出典)環境省:サステナブルファッション わたしたちにできること

資源として回収に出す道は3つ、条件は市区町村で違う

資源に出せる服と、ごみに出す服

着られるけれど売り物にはならない服は、資源として回収に出す道があります。受け皿は、市区町村の資源回収、地域の集団回収、店に置かれた古着回収ボックスの3つです。

環境省は「多くの自治体が古着を資源として回収しています」と書いています。ただし出せる品目と条件は市区町村で違うので、実家の市区町村のページで確かめてから運びます。

回収された後の行き先も一様ではありません。ここでは3つの受け皿の違いと、出す前に確かめる条件を整理します。

市区町村の資源回収と集団回収はどこが違うか

市区町村の資源回収は、決められた日に決められた場所へ出す形が基本です。品目の指定があり、袋の指定がある地域もあります。

集団回収は、町内会や子ども会などのグループが行うものです。環境省は「グループで集団回収を行えば、自治体より奨励金などを受けられることもあります」と書いています。

古着回収ボックスは、衣料品店や商業施設に置かれているものです。持ち込む日を選べるので、実家に通う日程に合わせやすい受け皿です。

受け皿 出せるタイミング 品目の指定 実家じまいでの使いどころ
市区町村の資源回収 決められた収集日 あり(市区町村ごと) 量が多く、収集日に合わせられるとき
集団回収 グループの実施日 グループごと 実家が地域とつながっているとき
古着回収ボックス 店の営業時間内 店ごと 帰省の日に立ち寄って出したいとき

回収された古着がすべて服に戻るわけではありません。環境省は、リサイクル率にはウエス(機械手入れ用の雑巾)など繊維に戻らないものを含むと注記しています。

古着回収ボックスに出せるものと出せないもの

店の回収ボックスは、店ごとに受け入れる品目が違います。自社ブランドの服だけを対象にしている店もあれば、他社のものも受け付ける店もあるためです。

環境省は、店頭回収の取り組みが広がっている例をいくつか挙げています。伊藤忠商事の「RENUプロジェクト」や、JEPLANが運営する「BRING」がその例です。

ファーストリテイリングの「ユニクロダウンリサイクル」や、Green Down Projectも例に挙がっています。

着られるものは寄付に回し、着られないものは素材やパーツごとに分けてリサイクルする、という説明が添えられています。

持ち込む前に、店のサイトで対象の品目を確かめてください。 対象外のものを持ち込むと、その場で断られて持ち帰ることになります。

ボックスに出す服も、洗って乾かしてから持ち込むのが前提です。濡れたまま、汚れたままのものは受け付けてもらえません。

資源回収に出す前に確かめておきたい5つの条件

資源として出せるかどうかは、次の5つで決まります。市区町村のページを開いて、上から順に当てはめてください。

確かめること 見るところ
洗ってあるか 汚れが残っているものは資源として使えない
乾いているか 雨の日は出さない、という案内を出している市区町村がある
破れや大きな汚れがないか 資源の対象は「まだ使える状態のもの」に限られることが多い
下着・靴下が対象に入っているか 品目から除いている市区町村がある
布団・毛布を混ぜていないか 衣類とは別の区分になっていることが多い

上の5つを確かめて、対象になる品目だけを分ければ、そのまま出せます。破れや取れない汚れがあるもの、品目から外れるものは、可燃ごみ・不燃ごみの山に移してください。

洗えていない服や乾いていない服は、洗って乾かせば次の収集日に出せます。ただし布団・毛布だけは可燃ごみに回さず、布団の処分方法は?自治体の区分と打ち直しの選択肢の区分に従ってください。

迷ったまま資源の袋に入れないでください。 混ざっていると、袋ごと回収されないことがあります。

(出典)環境省:サステナブルファッション わたしたちにできること

(出典)環境省:サステナブルファッション ファッションと環境

可燃ごみ・不燃ごみに出すときの手順と量の上限

玄関先に並べた衣類入りのごみ袋

資源に回せない服は、多くの市区町村で可燃ごみとして出せます。洗っても落ちない汚れや破れがあるもの、においが取れないものは、この山に入れて構いません。

気をつけたいのは量です。1回に出せる量に上限を設けている市区町村があり、まとめて出すと置いていかれることがあります。

量が多いときは、回数を分けるか、清掃工場へ自分で持ち込む方法を調べます。実家に通える回数から逆算して、何回に分けるかを先に決めておくと確実です。

出せずに残ると、次の収集日まで家の中に戻すことになります。その二度手間を避ける分け方と、持ち込みの手順をここから整理します。

衣類は多くの市区町村で可燃ごみとして出せる

衣類は、多くの市区町村で可燃ごみの区分に入っています。ただし区分の名前は「燃やすごみ」「可燃ごみ」など地域で違います。

出す前に確かめるのは、収集日と指定袋の有無の2つです。ここが分かれば、あとは袋に詰めるだけになります。

指定袋がある地域では、袋の代金がそのまま費用です。大きい袋にまとめるほうが、枚数が減って安くなることもあります。

ファスナーや金具が付いた服も、多くの地域では可燃ごみのまま出せます。ただし地域によっては、素材や金具の量で不燃ごみに区分されることもあるので注意してください。

判断に迷うものだけ、市区町村の案内で品目を引いてください。

1回に出せる量に上限を設けている市区町村がある

ごみ集積所に一度に大量の袋を出すと、収集されずに残ることがあります。1回に出せる袋の数に上限を設けている市区町村があるためです。

上限の数は地域で違い、事前に相談すれば受け付けてくれる場合もあります。片付けで大量に出ることが分かっているなら、先に窓口へ電話しておくと安心です。

集積所は近隣の人が共同で使う場所です。1軒分の服が積み上がると、ほかの家のごみが置けなくなります。

量が読めるなら、回数を分けるほうが確実に進みます。 出す日を分けておけば、集積所が服の袋で埋まることもありません。

量が多いときの分け方と、清掃工場への持ち込み

回数を分けるなら、実家に行く日をどの収集日に合わせるかを先に決めます。その日に出せる区分の袋から運べば、往復が無駄になりません。

資源の収集日と合わない日は、営業時間内ならいつでも出せる古着回収ボックスに回す手もあります。

市区町村によっては、清掃工場などの処理施設へ自分で持ち込む道もあります。事前の予約、身分証、料金の有無は地域で違うので、電話で確かめてから運んでください。

自分で運ぶ方法は、収集日を待たずに済むのが利点です。 実家に行ける日が限られているなら、こちらのほうが日程に合わせやすくなります。

なお、家電のように予約と準備の日数が要る品目は、先に手配だけ済ませておきます。順番の考え方は冷蔵庫の処分方法|実家の1台を手放す順番と料金の決まり方で整理しました。

故人の衣類を家族で分けるときの順番と決め方

分ける前の衣類をスマートフォンで撮っている手元

故人の服は、行き先を決める前に家族で見る順番を決めます。誰も見ないまま処分すると、後から「あれはどうしたのか」という話になりがちです。

写真を撮ってから分けると、後で聞かれても答えられます。全部を残す必要はなく、記録があれば気持ちの整理はつきやすいはずです。

喪服・礼服と、値がつきそうなものだけ別にしておけば、残りは同じ基準で流せます。ここでは、迷ったときの置き場所の作り方までまとめました。

服は量が多いぶん、分け方を先に決めておくと家族の手も借りやすくなります。誰が何を見るかが決まっていれば、離れて暮らす家族にも頼めます。

写真を撮ってから分けると、後で揉めにくい

きょうだいで分担していると、片付けに来られる人と来られない人が出ます。来られなかった側は、何がどうなったのかが分かりません。

そこで、山を作る前にまとめて写真を撮ります。1枚ずつでなく、広げて何枚かに収める形で十分です。

写真があれば、後から「これは資源に出した」「これは残してある」と説明できます。共有のアルバムに入れておけば、その場で見てもらえるはずです。

片付けの順番全体は実家の片付けはどこから?迷わない順番と進め方にまとめてあります。同記事は判断しやすいものから手をつける進め方を勧めていて、衣類はその「判断しやすいもの」の代表にあたります。

喪服・礼服と、値がつくものは別に分けておく

喪服と礼服は、その場で判断しにくい種類の服です。誰かが使うかもしれない、という保留が起きやすいためです。

まとめて1か所に置き、家族に写真を送って確かめてください。使う人が名乗り出なければ、ほかの服と同じ基準で流します。

ブランド品や毛皮、和装小物などが混ざっていることもあります。値がつきそうなものは分けておき、査定は後日に回してください。

売り先の選び方は実家の片付けで売れるものは?見分け方と売り先を参照してください。着物と和装は着物の処分方法は?売る・譲る・供養の選び方が詳しく扱っています。

気持ちが動かないときは保留の箱を1つ作る

どうしても決められない服が、必ず何点か出ます。そこで悩み込むと、その日の作業が止まります。

保留の箱を1つだけ作ってください。 箱を1つに限ると、入れる前に「本当に保留か」を考えるようになります。

箱には、置き場所と次に見直す時期を書いておいてください。時期を決めておかないと、そのまま忘れられて次の世代に回ります。

保留にしたものを持ち帰るかどうかも、その場で決めてください。自宅に運ぶなら、置く場所を先に空けてから運びます。

業者にまとめて頼むときに確かめる3つのこと

廊下に並べた袋の数を数えるメモとペン

自分で運べない量になったら、業者に頼む道があります。頼む前に袋の数を数えておくと、見積もりの話が早く進みます。

家庭から出た衣類を廃棄物として運ぶには、その市区町村の一般廃棄物処理業(ごみの収集運搬)の許可か、市区町村からの委託が必要です。古物商の許可だけでは運べません。

買取と回収をまとめて頼めることもありますが、その場合は内訳を分けて示してもらいます。売るのと捨てるのでは必要な許可が違うので、そこも合わせて確かめてください。

ここでは、電話で確かめる3つの点を整理します。数と経路を先に把握しておけば、当日に慌てません。

袋の数を数えてから見積もりを頼むと話が早い

見積もりが変わる一番の理由は、量の伝え方です。「押し入れいっぱい」では、相手も金額を出せません。

45リットルの袋で何個分かを数えて伝えると、話が具体的になります。山ごとに分けてあれば、資源に回せる分も一緒に伝えられるはずです。

搬出の経路も先に見ておきます。エレベーターの有無、階段の有無、駐車できる場所の3つは、必ず聞かれます。

見積もりの比べ方は実家の片付け業者の選び方|許可の確認と見積もりの比べ方にまとめました。同じ条件で2〜3社に聞く、という比べ方が具体的に書かれています。

家庭のごみを運ぶには市区町村の許可が要る

環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要で、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できないと明記しています。家庭で不要になり、ごみとして出す衣類もこの対象です。

確認するのは、実家のある市区町村の許可かどうかです。別の市区町村の許可では、その家のごみを運べません。

依頼していない訪問買取に応じないことも大切です。訪問購入にあたる取引にはクーリング・オフの制度があり、詳しくは着物の処分方法は?売る・譲る・供養の選び方で扱っています。

環境省は、リユースは古物商の許可を有し信用できる業者へ依頼するよう案内しています。売るのと捨てるのでは、必要な許可が違うという点を押さえておいてください。

買取と回収をまとめて頼むときに見るところ

片付け業者の中には、買取もあわせて行うところがあります。売れるものを引き取り、残りを廃棄物として運ぶ形です。

このとき見るのは、買取額と処分費が分けて示されているかです。差引きの金額だけを見せられると、どちらが妥当かを判断できません。

作業の範囲も確かめてください。分別まで頼むのか、袋詰めまで自分でやるのかで、金額は変わります。

当日に人手が要ることもあります。立ち会う人数と時間を、契約の前に決めておいてください。

(出典)環境省:廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!

(出典)国民生活センター:訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには

実家の衣類の処分でつまずきやすい4つの疑問

空にした衣装ケースと束ねたハンガー

つまずきやすいのは4つです。下着や靴下の扱い、濡れた服や汚れた服、ハンガーや衣装ケース、そして防虫剤のにおいです。

服にかかわる3つは、「そのまま着られる状態か」と「市区町村の条件に合うか」の2つで決まります。ハンガーや衣装ケースだけは、市区町村の区分だけで決まる点が違います。

答えが地域で分かれるものもあるので注意してください。品目の決め方が市区町村ごとに違うためで、他県の実家に当てはめると食い違うことがあります。

ここでは、確かめるときにどこを見ればよいかまで書いておきました。実家の市区町村の案内を開きながら読むと、そのまま当てはめられます。

下着や靴下、肌着は資源回収の対象になるのか

資源回収の対象を「洗濯してある衣類」と定めたうえで、下着や靴下を品目から除いている市区町村があります。実家の市区町村の案内で、品目の一覧を確かめてください。

買取の店でも、下着や肌着は対象外になるのが一般的です。次の人がそのまま着るものではない、という理由からです。

対象外だと分かったら、可燃ごみの山に移します。迷って資源の袋に入れると、袋ごと回収されないことがあるためです。

量がまとまるものなので、先に確かめておくと仕分けが速く進みます。

雨に濡れた服や汚れた服はどうすればよいか

濡れた服は、資源としては使えません。雨の日は資源回収に出さない、という案内を出している市区町村があります。

一度乾かしてから、次の収集日に出すのが確実です。実家に通える日が限られているなら、可燃ごみに回す判断も現実的です。

洗っても落ちない汚れがあるものは、可燃ごみの山に入れます。油や薬品が付いたものは資源には出せないので、区分は市区町村の案内で確かめてください。

ハンガーや衣装ケースも一緒に出してよいか

ハンガーや衣装ケースは衣類ではありません。プラスチックや金属の区分になるため、服とは別に出します。

区分の名前と出し方は市区町村で違う部分です。「プラスチック資源」として集める地域もあれば、「燃やさないごみ」に入る地域もあります。

衣装ケースは、大きさによっては粗大ごみの扱いになります。長辺が何センチ以上で粗大ごみか、という基準は地域ごとに決まっているためです。

タンス本体の扱いはタンスの処分方法は?費用の目安と搬出の段取り、布団・毛布は布団の処分方法は?自治体の区分と打ち直しの選択肢で扱っています。

防虫剤のにおいが残っている服も売れるのか

長くしまわれていた服には、防虫剤のにおいが残っていることがあります。においや黄ばみは、店が商品として出せるかどうかの判断に関わる部分です。

査定に出す前に、風の通る場所で陰干しをしておきます。それで薄くなるようなら、そのまま持ち込めます。

においが取れないものは、可燃ごみの山へ移してください。 無理に買取に出しても、持ち帰ることになります。

タグが付いたままの新品でも、においが強ければ同じ扱いです。状態を見て判断する、という点は変わりません。

まとめ|衣類は3つの山に分けてから行き先を決める

衣類の処分で押さえておきたいのは、次の3点です。

  • 行き先は売る・譲る、資源として回収に出す、可燃ごみ・不燃ごみに出すの3つだけ
  • 分ける基準は「誰かがそのまま着られる状態か」の1つで足りる
  • 資源に出せる条件と量の上限は市区町村で違う

最初の一歩は、押し入れの服を全部出して3つの山に分けることです。親の服なら、写真を先に撮ります。

袋の数が分かれば、出す回数も業者に頼むかどうかも決まります。

実家じまい全体の進め方は実家じまいとは?進め方の全手順と費用相場にまとめました。

出せる品目も量の上限も、市区町村ごとに決まっています。運ぶ前に窓口へ確認し、順番で迷ったときはお問い合わせからご相談ください。

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