実家の庭木伐採・庭じまいの費用|高さ別の目安と依頼先

費用とお金

実家の庭木は、高さ、幹の太さ、作業できる場所、そして切ったあとの処分の量で費用が決まります。人の背丈ほどの木と、屋根を越える木では、必要な道具も人数もまったく違います。

気をつけたいのは、その処分費が見積もりに入っているかです。伐採の費用に処分費が含まれていない見積もりがあり、あとから追加を求められることがあります。

この記事では、費用が動く条件、依頼先の選び方、隣地に越境している枝の扱い、切ったあとの処分までを整理します。当サイトは造園業者でも回収業者でもなく、公的資料を確認して実家じまいの実務をまとめているガイドです。空き家の管理全体は空き家の管理は何をする?頻度と代行の使い方をご覧ください。

費用が動く4つの条件

高い庭木と狭い作業スペース

見積もりの金額を左右するのは、木の高さ、幹の太さ、作業できる場所、処分の量です。高さが上がるほど、はしごでは届かず、高所作業車やクレーンが必要になります。狭い路地で重機が入らない場所は、人力での作業になり日数が増えます。切った木は運び出して処分するため、量が多いほど処分費がかさみます。この4つに加えて、根まで抜くか、どんな木かでも手間は変わります。まずは高さの見方から順に、実家の木がどれにあたるかを確かめてください。

庭木の伐採費用が動く条件

木の状態・条件 作業の見込み
1階の屋根より低い はしごと手道具で作業できることが多くあります
1階の屋根を越える 2人以上、または高所作業車を使うことがあります
2階の屋根を越える 高所作業車やクレーンが必要になることがあります
電線や建物に近い 分割して切り下ろすため手間が増えます
根まで抜く 重機が入れるかで金額が変わります

高さの測り方

正確でなくて構いません。建物と見比べて、1階の屋根を越えているか、2階の屋根を越えているかを伝えれば、見積もりの話は通じます。メジャーで測る必要はありません。

写真を撮るときは、建物と一緒に写すと高さが伝わります。幹の太さは、両手が回るかどうかで伝えれば十分です。

根まで抜くかどうか

伐採(幹を切る)と抜根(根を抜く)は別の作業です。土地を売る、駐車場にするといった予定があるなら抜根まで必要になることがあります。

抜根は重機を使うため、入れるかどうかで金額が大きく変わります。門扉の幅、隣家との間隔を測っておいてください。

重機が入らない場所では、人力で掘り起こすか、根を残したまま地際で切るという形になります。根を残す場合は、そこに何かを建てる予定があるかで判断が変わります。駐車場にするなら、あとから掘り返す手間が出ます。

木の種類で変わること

同じ高さでも、樹種によって手間が変わります。枝が広がる木は、切り下ろす手間がかかります。根が横へ広がって次々と生えてくる木は、1本だけ切っても残りが伸びます。実がなる木は、残すなら枝を切る時期によって木が弱ることがあります。「この木は残したい」という希望があるなら、先に伝えてください。切る前提で見積もられると、残せたはずの木まで対象に入ります。

実家でよく出てくる木

  • 松:手入れに技術が要り、剪定と伐採で費用が変わります
  • 竹:地下茎で広がるため、範囲ごとの処理になります
  • 柿・梅・みかん:残すなら剪定の時期を相談します
  • 杉・ヒノキ:高くなりやすく、高所作業になりがちです
  • 生垣:長さで見積もられることが多くあります

思い出のある木は、切る前に写真を撮っておいてください。植えた年や由来を家族で共有しておくと、判断が揃いやすくなります。

依頼先は3つある

庭仕事の道具と脚立

依頼先は、造園業者、伐採を専門に扱う事業者、片付け業者の3つです。造園業者は木の手入れが本業で、残す木の剪定まで含めて相談できます。伐採を専門に扱う事業者は、高木や危険な場所の作業に慣れています。片付け業者は、家財の処分とまとめて頼めるのが利点です。どこに頼むかで得意な作業が違うので、庭全体を整えたいのか、危険な木を1本だけ切りたいのかで依頼先が変わります。まず自分が何を頼みたいのかを決めてから、電話をかけてください。

選び方の目安

  • 庭全体を整えたい:造園業者に相談します
  • 高い木や電線に近い木:伐採を専門に扱う事業者へ
  • 家財の片付けと同時に:片付け業者にまとめて頼みます
  • 解体が決まっている:3つに頼む前に、解体の見積もりに庭木を含められるか聞きます

3つの依頼先の違い

造園業者は、庭全体を見て、残す木と切る木を提案してくれるのが強みです。手入れを続けるつもりなら、こちらに相談するほうが話が早く進みます。

伐採を専門に扱う事業者は、高い木を分割して切り下ろす段取りに強いのが特徴です。電線が近い、隣家に張り出しているといった条件のある木は、こちらのほうが安全に進みます。

片付け業者にまとめて頼む場合は、庭木の作業を自社でやるのか、別の業者に回すのかを聞いてください。回す形だと、間に手数料が入ります。急ぐ理由がなければ、造園業者に直接頼むほうが安く済むことがあります。

どこに頼むにしても、作業をする人が保険に入っているかは確認しておいてください。作業中に隣家を傷めた場合の備えになります。

相見積もりの取り方

同じ条件を伝えなければ比べられません。伝えるのは、木の本数と高さ、幹の太さ、作業場所までの通路の幅、抜根が必要か、切った木の処分を頼むかの5つです。

写真を送れば、現地を見なくても概算を出してもらえることが多くあります。複数社に同じ写真と条件を送ってください。

写真は、木の全体、幹の根元、通路の入口、隣家との間隔の4枚があると条件が正確に伝わります。ただし、写真だけで契約まで進めるのは避けてください。正式な金額は現地を見てからと伝えておけば、当日の食い違いを防げます。

切った木の処分をどうするか

切りそろえた枝と幹を積んだ庭

見落とされやすいのがここです。伐採の費用に処分費が含まれていない見積もりがあります。切った枝や幹は量があり、軽トラック1台分では収まらないこともあります。市区町村によっては、枝を短く切って束ねれば燃えるごみとして出せるところもありますが、量の上限が決まっているのが一般的です。家庭から出るごみの収集運搬を業として行う場合、そのごみを集める区域を管轄する市町村長の許可を受けた業者か、市区町村から委託を受けた業者に限られます。確認するのは、ごみが出る市区町村の許可または委託です。

切った木を処分するまで

処分の選択肢

  1. 業者に持ち帰ってもらう:見積もりに含まれているか確認します
  2. 市区町村のごみとして出す:長さと束ね方の指定があります
  3. クリーンセンターへ自分で運ぶ:直接持ち込める市区町村があります
  4. 薪や材として引き取ってもらう:樹種によっては需要があります

処分費が別なら、いくらかかるのかを先に聞いてください。「伐採一式」の見積もりだと、この部分が抜けていることがあります。

(出典)e-Gov法令検索:廃棄物の処理及び清掃に関する法律

自分で切る場合の注意

チェーンソーを使う作業には危険が伴います。倒れる方向を誤ると、家屋や電線、隣地を傷めます。高さのある木や、建物に近い木は、無理をせず業者に頼んでください。

けがをすれば、費用の差どころの話ではなくなります。はしごの上での作業は、それだけで危険だと考えてください。

自分で切ってよいのは、足が地面についた状態で届く高さまでと決めておくと分かりやすくなります。低木や生垣なら手道具で足ります。それを超えるなら頼んでください。

隣地に越えている枝の扱い

塀を越えて隣に伸びた枝

実家の庭木が隣の敷地に越えている、あるいは隣の木がこちらに越えているという状態は、実家じまいでよくある話です。民法では、土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができるとされています。つまり、越えた枝は、原則としてその木の所有者が切るという考え方です。一方、隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができるとされており、根は自分で切れます。枝と根で扱いが違う点を押さえておいてください。

自分で枝を切れる場合

民法では、次のいずれかにあたるときは、土地の所有者がその枝を切り取ることができるとされています。

  • 竹木の所有者に切除するよう催告したにもかかわらず、相当の期間内に切除しないとき
  • 竹木の所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないとき
  • 急迫の事情があるとき

つまり、これらにあたらないかぎり、こちらで勝手に切ることはできません。所有者が分かっていて急を要しないなら、まず所有者に伝えて、切ってもらうよう求めるのが順番です。

(出典)e-Gov法令検索:民法

空き家の庭木は苦情になりやすい

誰も住んでいない家の庭木は、伸び放題になって近隣の負担になります。落ち葉が雨どいを詰まらせる、日当たりをさえぎる、虫がわくといった形で苦情につながります。

管理が不十分な状態が続くと、行政から連絡が来ることもあります。放置した場合に何が起きるかは空き家を放置するとどうなる?税金・罰則・近隣トラブルにまとめています。

苦情が入ってから動くより、年に一度でも様子を見に行くほうが負担は軽く済みます。伸びきってからでは、切る量が増えて処分費もかさみます。遠方で通えないなら、管理を代行する事業者に庭の手入れを含められるか聞いてみてください。

売却や解体の予定があるとき

庭木を残したままの空き家

家を売る、あるいは解体すると決まっているなら、庭木の扱いをその予定に合わせて決めます。買主が更地を求めるなら伐採と抜根が必要です。庭付きの家として売り出すなら、内覧の前に一度剪定しておくと印象が変わります。伸びきった庭は、それだけで家が傷んで見えます。解体する場合は、解体工事の見積もりに庭木が含まれているかを確認してください。含まれていなければ別に費用がかかります。境界の確定測量を控えているなら、その段取りにも庭木が関わってきます。

予定別の考え方

今後の予定 庭木の扱い
庭付きの家として売る 剪定して見栄えを整えます
更地にして売る 伐採と抜根が必要になることがあります
解体する 解体の見積もりに含まれるか確認します
当面は空き家のまま 越境と苦情を防ぐ範囲で手入れします

売り方の違いは空き家の売却方法は?仲介と買取の選び方と流れ、解体の費用は家の解体費用はいくら?内訳と見積もりの比べ方にまとめています。

境界の測量を控えているとき

確定測量を予定しているなら、先に庭木を整えておくと立ち会いがしやすくなります。境界標が枝や下草に隠れていることも多く、整えておけば探す手間が減ります。

境界確定の進め方は土地の境界確定はなぜ必要?費用と進め方の順番で扱っています。

伐採の作業中に境界標を抜いてしまわないよう、位置が分かっているなら業者に伝えてください。抜けてしまうと、復元に別の費用がかかります。

見積もりで確認すること

庭で書き込む伐採の見積書

金額そのものより、何が含まれているかを見てください。伐採、抜根、処分、運搬、養生。この5つのどこまでが料金に入っているかで、総額は変わります。追加費用が出る条件も書面で確かめておくべき点です。地中の根が想定より広がっていた、電線が近くて特殊な作業になったといった理由で、当日に金額が変わることがあります。「一式」ではなく、内訳で受け取ってください。金額を比べるのは、中身をそろえてからで十分間に合います。契約したあとは、作業の前に片付けておくことと、隣家への声かけまでを段取りします。

見るところ

  • 作業の範囲:伐採だけか、抜根まで含むか
  • 処分費:切った木の運搬と処分が含まれているか
  • 養生:庭や隣家を守る作業が入っているか
  • 追加費用が出る条件:地中の根、電線、想定外の太さ
  • 作業の日数:1日で終わるか、複数日か

作業の前に片付けておくこと

  • 庭の物や鉢を移動する:作業の邪魔になり、落下物で割れます
  • 車を動かす:作業車が入るスペースを空けます
  • 洗濯物を取り込む:粉じんが飛びます
  • ペットを室内へ:騒音と人の出入りがあります
  • 写真を撮っておく:作業前の状態を記録しておきます

最後の項目は、もし庭や外構を傷めた場合の材料になります。撮っておいて損はありません。

隣家への配慮

作業の日は、騒音と落下物が出ます。前日までに隣家へ声をかけておくと、あとの関係が違ってきます。

とくに越境していた枝を切る場合は、隣の敷地に入って作業する必要があることがあります。事前の了解を取っておいてください。

作業の日時が決まったら、何時から何時まで、何日かかるかまで伝えておきます。留守がちな家なら、手紙を入れておく形でも構いません。実家が長く空き家だったなら、この一手間が効きます。

定期的に手入れするという選択

刈り込まれて形の整った庭木

空き家を当面は持ち続けるなら、伐採ではなく定期的な剪定という選び方もあります。年に1〜2回の手入れで、越境や苦情は避けやすくなります。全部を切ってしまうと、庭は殺風景になり、家の印象も変わります。売るまでの間、見た目を保っておくほうが結果的に有利になることもあります。空き家の管理を代行する事業者が、庭の手入れを含めて請け負っている場合もあるので、あわせて相談してみてください。通う回数を減らせるのも利点です。

剪定と伐採の使い分け

状況 向いている手入れ
当面は空き家のまま持つ 年1〜2回の剪定
近隣から苦情が出ている 越境部分の剪定を優先
更地にして売る・解体が決まっている 伐採、必要なら抜根
高木が家屋に接している 早めに伐採を検討

管理代行の使い方は空き家の管理は何をする?頻度と代行の使い方にまとめています。

まとめ:高さと処分費で金額が決まる

庭木の伐採費用は、高さ、幹の太さ、作業できる場所、処分の量で決まります。屋根を越える木や、電線に近い木は、高所作業車やクレーンを使うぶん金額が上がります。狭い路地で重機が入らない場所も、人力になるぶん日数と費用が増えます。まずは実家の庭に出て、建物と一緒に写真を撮り、高さと本数を伝えて概算をもらうところから始めてください。複数の業者に同じ写真と条件を送れば、返ってくる金額の差に、はじめて意味が出てきます。

見落とされやすいのが処分費です。「伐採一式」の見積もりに、切った木の運搬と処分が含まれていないことがあります。含まれていない場合はいくらかかるのかを、契約の前に確かめてください。

隣に越えている枝は、原則としてその木の所有者が切るものです。ただし、催告しても切らないとき、所有者が分からないとき、急迫の事情があるときは、土地の所有者が切り取れるとされています。根は自分で切り取れます。切る前に一度、隣の方に声をかけておくと、そのあとの関係が違ってきます。

この記事では、庭石や外構の撤去、家屋の解体は扱っていません。庭に残った物置の撤去は物置の解体と処分|費用が何で決まるかと、業者に確かめることにまとめています。解体は家の解体費用はいくら?内訳と見積もりの比べ方、空き家の管理は空き家の管理は何をする?頻度と代行の使い方をご覧ください。

当面は空き家のまま持つなら、全部を切ってしまわず、年1〜2回の剪定で越境や苦情を避けやすくするという選び方もあります。売るまでの間、見た目を保っておくほうが有利になることもあります。

庭は、家の中より後回しにされがちな場所です。ただ、近隣から見えるのは庭のほうです。片付けの区切りに、一度手を入れておいてください。

庭木の伐採費は、家を売る・貸す・持ち続けるのどれを選ぶかで意味が変わります。どの道にいくらかかるかは実家じまいの費用の内訳と総額の目安で比べられます。

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