不用品回収の「無料」はなぜ無料?仕組みと確かめ方

業者選び

「不用品を無料で回収します」というチラシが、ポストに入っていることがあります。検索すると「無料回収」と大きく出ている業者も見つかります。

実家の片付けでは荷物の量が多くなるので、無料という言葉はありがたく見えます。

ただ、家庭から出る不用品を回収するには市区町村の許可が要ります。無料をうたう回収のなかには、その許可がないものも混ざっています。タイヤの場合にどこまで無料になるかはタイヤの処分方法で扱っています。

当サイトは片付けや回収を請け負う事業者ではありません。無料が成り立って見える仕組みと、お金をかけずに手放す道すじを、環境省と国民生活センターの公開資料から整理しました。

  1. 不用品回収の「無料」には3つのパターンがある
    1. この記事で扱わないこと
    2. 3つのパターンを最初に分けておく
  2. 家庭の不用品を回収できるのは許可のある事業者
    1. 一般廃棄物処理業の許可、または市区町村からの委託
    2. 産廃の許可や古物商の許可では回収できない
  3. なぜ「無料」でも成り立つように見えるのか
    1. 買取で処分費と相殺する形
    2. 有価で引き取れる物だけを対象にする形
    3. 費用があとから出てくる形
  4. 不用品回収サービスの相談は年2,000件を超えた
    1. 相談件数は4年で増え続けた
    2. 定額パックと詰め放題の食い違い
  5. 実際に起きている請求のされ方と、その場の断り方
    1. 作業前と作業後で対応が変わる
    2. クーリング・オフができる場合がある
  6. 無料に近い形で手放すための4つの道すじと順番
    1. 市区町村のルールで出す
    2. 家電4品目は家電リサイクル法で
    3. まだ使える物は買取か譲渡に回す
    4. 購入店や引っ越し業者に相談する
  7. 空き地の回収や巡回するトラックに応じない
    1. 確かめられないものには渡さない
    2. 家の前まで来ている場合の断り方
  8. 不用品回収を頼む前に確かめる5つのポイント
    1. 見積もりを取るときの5つのポイント
    2. 当日までにやっておくこと
  9. 不用品回収の無料についてよく聞かれる質問
    1. 無料回収はすべて違法ですか
    2. チラシに許可番号が書いてあれば安心ですか
    3. 無料と言われたのに請求されました
    4. 家電は無料で引き取ってもらえますか
    5. まだ使える家電はどうすればよいですか
    6. 巡回している回収車に頼んでもよいですか
    7. 許可業者はどこで探せますか
    8. 実家が遠方でも頼めますか
  10. まとめ|「無料」の表示より先に許可を見る
    1. 次にやることの順番

不用品回収の「無料」には3つのパターンがある

無料と書かれていても、中身は同じではありません。買取と相殺しているもの、有価物(資源として値がつく物)として引き取っているもの、あとから費用が出てくるものの3つに分かれます。

不用品回収の無料表示を、買取で相殺・有価物だけ引き取る・あとから請求の3つのパターンに分けた図

このうちみっつめは、作業が終わってから高額な請求になることがあります。国民生活センターが相談事例として挙げているのも、この請求のされ方です。

見分ける手がかりは、料金の説明ではなく許可の有無にあります。環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業許可や委託が必要で、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できないとしています。

無料かどうかより先に、許可の種類を確かめてください。

そこから順に見ていきます。

この記事で扱わないこと

重なるテーマは既存の記事に譲ります。業者の探し方と選び方は実家の片付け業者の選び方、契約後に起きたトラブルの対処は遺品整理業者のトラブル事例と防ぎ方にまとめました。

家電の処分にかかるお金は家電リサイクル料金、売れる物の見分け方は実家の片付けで売れるものが担当しています。

ここでは「無料」という表示そのものの読み方と、費用をかけずに手放すための道すじだけを追います。

3つのパターンを最初に分けておく

ひとつめは、売れる物を買い取って処分費と相殺するやり方です。買取には古物商許可が要り、値がつく物があるときに成り立ちます。

実家の片付けでは、まとまった量の家財のなかに値のつく物が混ざっていることがあります。

ふたつめは、金属など有価で引き取れる物だけを対象にするやり方です。「金属類は無料」と限定されていれば、これにあたります。

みっつめは、無料と表示しておいて、作業後に人件費や処分費といった名目で請求するものです。国民生活センターが注意を呼びかけているのは、主にこれです。

何が無料なのか 成り立つ条件 確かめること
買取で相殺 処分費が買取額で相殺される 値がつく物があること 古物商許可の番号、買取と処分費の内訳
有価物の引き取り 資源として値がつく品目だけ 対象品目が限られること 無料の対象品目、対象外の料金
あとから請求 入り口の表示だけ 表示と請求が別物 一般廃棄物処理業の許可の有無

(出典)環境省:廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!

家庭の不用品を回収できるのは許可のある事業者

軽トラックに家財を積み込む作業員

環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の「一般廃棄物処理業許可」や委託が必要だと説明しています。

そのうえで、「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できませんと明記しています。産業廃棄物処理業の許可は工場や企業の廃棄物のためのもので、古物商の許可は中古品などの売買のためのものだからです。

つまり、許可の名前が書いてあっても、それが一般廃棄物のものでなければ家庭の不用品は回収できません。

一般廃棄物処理業の許可、または市区町村からの委託

家庭から出る不用品は一般廃棄物にあたります。これを集めて運ぶには、片付ける家がある市区町村の一般廃棄物処理業(収集運搬)の許可か、その市区町村からの委託が要ります。

許可は市区町村ごとに出ます。会社の所在地ではなく、ごみが出る市区町村の許可を確かめてください。

実家が離れている場合、住んでいる市区町村の許可では足りません。

会社によっては複数の市区町村の許可を持っていることも、まったく持っていないこともあります。電話の段階で聞いておけば、訪問の回数を減らせます。

もうひとつ確かめたいのが、実際に回収する会社と、許可を持っている会社が同じかどうかです。廃棄物の処理及び清掃に関する法律は、一般廃棄物収集運搬業者が受託した収集運搬を、さらに別の会社へ委託することを禁じています。

禁じられているのは受託した業者からの再委託で、提携そのものではありません。確かめたいのは、契約の相手と、実際に運ぶ会社がどちらなのかです。

電話で聞いた社名と、当日に来た車や作業員の会社名が違う場合は、その場で理由を確かめてください。見積書と領収書の会社名がそろっているかどうかも、あとから確かめられる手がかりになります。

市区町村ごとの窓口や粗大ごみの出し方は市区町村別の粗大ごみと不用品回収の情報にまとめています。

産廃の許可や古物商の許可では回収できない

チラシやホームページに「産業廃棄物処理業許可番号」や「古物商許可番号」が大きく載っていることがあります。番号があると正規の事業者に見えますが、家庭の不用品の回収については別の話です。

環境省の説明は明確で、この2つでは家庭の廃棄物を回収できません。番号の種類を読み違えないようにしてください。

国民生活センターも、インターネットやチラシ等で広告を大々的に出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限らないと注意を呼びかけています。

許可の名前 出すのは 何のための許可か 家庭の不用品を回収できるか
一般廃棄物処理業(収集運搬) 市区町村 家庭などから出る廃棄物の収集運搬 できる
産業廃棄物処理業 都道府県など 工場や企業の廃棄物の処理 できない
古物商 都道府県の公安委員会 中古品などの売買 できない(買取はできる)

(出典)e-Gov法令検索:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(第7条第14項)/環境省:廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!/国民生活センター:不用品回収サービスのトラブル

なぜ「無料」でも成り立つように見えるのか

ポストに入っていた住まい関連のチラシ

無料と表示できる理由は、パターンごとに違います。買取で相殺しているのか、有価物だけを選んでいるのか、それとも後から請求する前提なのかで、意味がまったく変わります。

前の2つは、値がつく物があるかぎり成り立ちます。問題は3つめで、無料は入り口の表示にすぎません。

仕組みが分かると、電話の段階で確かめるべきことも決まってきます。無料の理由を説明できる会社かどうかで、そのあとの話の進み方も変わります。

3つのうちどれなのかを、最初のやり取りで聞いてみてください。

買取で処分費と相殺する形

まだ使える家電や家具、貴金属など、値がつく物がある場合は、買取額を処分費に充てて差し引きゼロにする形が成り立ちます。ソファのように運び出せるかどうかで道が変わる家具は、ソファの処分方法で6つの道すじを整理しています。

この場合、買い取る側には古物商許可が要ります。都道府県の公安委員会が出すもので、番号が交付されます。

注意したいのは、買取額と処分費が同じ紙に混ざって書かれると、内訳が分かりにくくなることです。買取の明細と処分費の明細は分けて出してもらうと、後から比べられます。

何が売れるかの見当は実家の片付けで売れるものにあります。

有価で引き取れる物だけを対象にする形

金属を含む物のように、資源として値がつく物だけを無料で引き取るやり方もあります。「金属類のみ無料」「アルミ・鉄は無料」と限定されていれば、これにあたります。

ただし、有価物という名目をつければ規制の外に出るわけではありません。実際に売れる状態かどうかで見られます。

限定が書かれている場合は、対象から外れる物には料金がかかります。当日になって「これは対象外です」と言われないよう、品目を先に伝えて確かめてください。

実家の片付けでは、対象になる物と外れる物が同じ部屋に混ざっています。無料の対象が全体の何割なのかを、量の見込みと合わせて聞いておくと計算が立ちます。

なお、無料の対象が限られていても、家庭の廃棄物として回収するなら市区町村の許可の話は変わりません。

費用があとから出てくる形

国民生活センターの資料には、無許可の事業者が「定額パック××円」「トラック詰め放題△△円〜」などと安価な料金を表示している、と書かれています。実際には基本料金のほかに、人件費や廃棄費用といった名目で追加料金が発生するとされています。

「無料」も同じ構造で使われることがあります。入り口では0円と見せておき、最終的な請求は別に立てるという使われ方です。

さらに、無許可の事業者については一般廃棄物の処理が適正に行われているのか市区町村で確認ができず、回収された不用品が不法投棄される恐れもあると指摘されています。

支払う金額の問題だけではありません。渡した家財がどこへ行くのかを確かめられない、という問題も起きています。

実家から出た物が不適切に処理されたとしても、依頼した側にはその後が見えません。無料という言葉の裏側は、金額とは別に考えておく必要があります。

(出典)国民生活センター:不用品回収サービスのトラブル

不用品回収サービスの相談は年2,000件を超えた

不用品回収サービスの相談は、2021年度に2,231件と2,000件を超えました。国民生活センターは2022年に、市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず違法に回収を行う事業者に注意するよう呼びかけています。

全国の消費生活センターに寄せられた相談件数は、2018年度1,354件、2019年度1,457件と推移しました。その後も2020年度1,788件、2021年度2,231件と増え続けています。

2022年度は9月末までで857件です。この件数はPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された相談の数で、2022年9月30日までの登録分です。

相談件数は4年で増え続けた

2018年度から2021年度にかけて、相談件数はおよそ1.6倍に増えています。増えた理由まで、この資料からは読み取れません。

背景として資料が挙げているのは、産業廃棄物処理業の許可のみを持つ事業者など、一般廃棄物処理業の無許可業者とのトラブルが目立つことです。許可の種類の読み違えが、そのまま相談につながっています。

実家の片付けも、この読み違えが起きやすい場面です。荷物が多く、期限もあるという条件が重なるので、無料や定額の表示に目が向きやすくなります。

数字は2022年9月末までの登録分なので、その後の傾向を示すものではありません。ただ、増加が続いていた時期があったことは確かです。

定額パックと詰め放題の食い違い

相談事例には、広告で見たプラン内容と、実際の料金やサービスが大きく異なるケースが並んでいます。

  • 「軽トラックパック7,000円、2トントラックパック2万5,000円」の広告を見て申し込んだが、積み込みが終わると料金は25万円だと言われた
  • 「トラック詰め放題」の広告を見て依頼したら、当日荷台の囲いの高さまでしか載せられないと言われ、断るとキャンセル料を請求された
  • 不用品の量は軽トラック1台分に満たなかったが2台分を請求され、支払えないと言うと銀行で現金をおろすように言われた

どれも、当日その場で条件が変わっています。作業が始まってからでは、断るのが難しくなります。

共通しているのは、広告の表示が「上限」ではなく「入り口」として使われている点です。軽トラックパック7,000円という表示は、その金額で終わるという約束にはなっていません。

実家の片付けのように量が読みにくい現場では、この差が大きく開きます。数量の見積もりを先に固めておくことが、そのまま予防になります。

(出典)国民生活センター:不用品回収サービスのトラブル

実際に起きている請求のされ方と、その場の断り方

玄関先で作業員と話す住まい手

相談事例で共通しているのは、作業の前ではなく作業中や作業後に金額が変わることです。荷物を積み終えたあとでは、断りにくい状況ができあがっています。

国民生活センターは、この場面での断り方まで具体的に示しています。知っておくと、その場で言葉が出やすくなります。

無理に対応せず、外の窓口を使う判断も含めて書きます。実家の片付けでは荷物が多く、当日に立ち会う人も限られるので、あらかじめ言い方を決めておくと動きやすくなります。

作業前と作業後で対応が変わる

作業前に、見積もりの料金や作業内容からの変更を提案されて納得できない場合は、作業前にきっぱりと断るよう案内されています。積み込みが始まる前が、いちばん断りやすいタイミングです。

作業中や作業終了後に、事前に聞いていない高額な料金を請求された場合は、後日納得した金額で支払う意思があることを示しつつ、その場での支払いを断るとされています。

支払いを迫る作業員の態度などに身の危険を感じることがあれば、警察に連絡するのも一法だとも書かれています。

クーリング・オフができる場合がある

クーリング・オフは、いったん結んだ契約を、決められた期間内なら書面で撤回できる仕組みです。

見積もりのために呼んだ事業者と、その場で契約することがあります。広告等の表示額と実際の請求金額が大きく異なることもあります。

こうした場合は、特定商取引法の訪問販売によるクーリング・オフ等が適用できる可能性があるとされています。

「クーリング・オフはできない」と書かれた書面にサインをさせられた、という相談事例も紹介されています。書面にそう書いてあることと、法律上できるかどうかは別の話です。

不安に思ったときやトラブルになったときは、消費者ホットライン188から最寄りの消費生活センターにつながります。契約後でも、早いほど選べる手が残ります。

(出典)国民生活センター:不用品回収サービスのトラブル

無料に近い形で手放すための4つの道すじと順番

粗大ごみの収集場所に出された家具

無料に近い形で手放す4つの道すじを示した図。市区町村、家電リサイクル法、買取か譲渡、購入店や引っ越し業者の順

無料をうたう回収を使わなくても、費用を抑えて手放す方法はあります。環境省は、廃家電や粗大ごみなどの廃棄物はお住まいの市区町村が案内するルールで処分するよう求めています。

実家の片付けでは物量が多いので、品目ごとに道すじを分けると効率が上がります。

順番としては、市区町村、家電リサイクル法の対象品目、買取や譲渡、購入店や引っ越し業者の順に当たると整理しやすくなります。どれも無料になるとは限りませんが、金額が事前に決まっている点が共通しています。

市区町村のルールで出す

いちばん確実なのが、市区町村の粗大ごみ受付や指定の出し方を使う方法です。国民生活センターも、市区町村以外に頼む場合は一般廃棄物処理業者に依頼するようアドバイスしています。

実家の片付けでは、粗大ごみの点数が多くなります。1回の申し込みで出せる点数に上限がある市区町村もあるので、回数を分ける前提で日程を組んでおくと慌てずに済みます。

品目によっては、粗大ごみとは別の受け付け方が用意されていることがあります。小型の家電や電池、蛍光管などは、回収ボックスや拠点回収に分けている市区町村があります。電子レンジも、粗大ごみ・不燃ごみ・小型家電のどれになるかが市区町村で分かれる品目です。調べる順番は電子レンジの処分方法|何ごみかを確かめて実家の1台を手放す手順で扱っています。

粗大ごみの申し込み画面だけを見て判断せず、市区町村のごみ分別の案内を品目名で引いてみてください。手数料のかからない出し方が残っていることがあります。

手数料はかかりますが、金額が事前に決まっているので、当日に増えることがありません。予約が要る市区町村では日程が先になるため、余裕を持って依頼するよう案内されています。

窓口の連絡先や申し込み方は市区町村別の粗大ごみと不用品回収の情報にまとめています。

家電4品目は家電リサイクル法で

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は家電リサイクル法の対象です。粗大ごみとしては出せません。このうちテレビは、録画データやB-CASカードの始末も残ります。引き渡し前の準備はテレビの処分方法|ブラウン管も液晶も、実家の1台を手放す手順にまとめました。

家電リサイクル法では、引き取りを依頼する先が買い替えかどうかで変わります。買い替えに伴う処分なら新しい製品を購入する小売業者に、処分のみならその製品を購入した小売業者に依頼します。

リサイクル料金と収集運搬料金がかかり、支払うと家電リサイクル券が発行されます。券に記載された番号で、自分の廃家電がメーカーに引き渡されたかを確認できます。エアコンは取り外しの手配が加わるぶん、段取りが変わります。順番はエアコンの処分方法|実家の古い1台を家電リサイクルで手放す順番で整理しています。

金額の考え方は家電リサイクル料金にまとめました。

まだ使える物は買取か譲渡に回す

比較的新しく十分に使える家電は、廃棄物ではなく中古品として売る道があります。環境省は、古物商の許可を有し、信用できる業者に中古品としての買取りを依頼するよう案内しています。

売れる物と売れない物の線引きは、思っているより厳しいのが実際です。年式や動作の状態で判断されるので、期待しすぎないほうが計画が崩れません。

譲渡という道もあります。親族や知人、地域の掲示板を使う方法で、運び出しを自分たちで行える場合には現実的な選択になります。

ただし、引き取り手が現れるまで時間がかかります。家の引き渡しや解体の日程が決まっている場合は、期限を区切って、間に合わなければ通常の道すじに戻す前提で動くほうが安全です。

購入店や引っ越し業者に相談する

家具や家電を買った店が引き取りを行っていることがあります。買い替えと同時なら、搬出まで含めて頼めることもあります。

引っ越しを伴う場合は、引っ越し業者が不用品の引き取りを扱っていることもあります。ただし、この場合も家庭の廃棄物として運ぶのであれば市区町村の許可の話は同じです。

どの道すじでも、許可のない事業者に廃棄物として渡さないという一点は変わりません。

(出典)環境省:廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!/国民生活センター:不用品回収サービスのトラブル

空き地の回収や巡回するトラックに応じない

住宅街を走る回収のトラック

巡回するトラックや空き地での回収には、当サイトでは応じないことをお勧めしています。「無料で回収します」とスピーカーで流しながら走る車や、空き地に一時的に置かれる回収の場に出会うことがあるためです。

こうした回収は、許可の有無を確かめるのが難しく、あとから請求が発生しても連絡先が分からなくなることがあります。許可を確かめられない相手に家財を渡さない、というのが当サイトの立場です。

判断に迷ったときは、無料という言葉ではなく許可を基準にしてください。渡す前なら断れますが、渡したあとでは難しくなります。

確かめられないものには渡さない

巡回や空き地での回収では、会社名、所在地、許可の種類、担当者名のいずれも確かめにくいのが実際です。渡したあとに追加の請求を受けても、話し合う相手にたどりつけません。

国民生活センターは、依頼後に一般廃棄物処理業の無許可業者であると分かった場合は作業を断りましょうとしています。渡す前であれば、断る余地が残っています。

急いでいるときほど、目の前の手軽さに引かれます。実家の片付けは期限があることが多いので、あらかじめ道すじを決めておくのが有効です。

家の前まで来ている場合の断り方

すでに家の前に来ていて、荷物を運び出そうとしている場合でも、積み込みが始まる前なら断れます。「市区町村の窓口で頼むことにしました」と伝えれば足ります。

やり取りが強引で不安を感じるときは、その場で消費生活センター(電話番号188)に相談できます。身の危険を感じる場合は警察に連絡する方法もあると案内されています。

一度渡してしまうと、取り戻すのは難しくなります。渡す前に止めることが、いちばん確実な対処になります。

不用品回収を頼む前に確かめる5つのポイント

見積書を並べて比べる手元

市区町村以外に頼む場合は、国民生活センターが挙げている見積もりのポイントがそのまま使えます。

内容は5つで、どれも電話や現地調査のときに聞けます。専門用語を覚える必要もありません。

聞いて答えが返ってこない会社は、その時点で候補から外して構いません。実家の片付けは物量が多く金額も大きくなりやすいので、ここでの手間が後の負担を減らします。

5つのうち最初のひとつが決定的で、残りの4つはそのあとに効いてきます。

見積もりを取るときの5つのポイント

  • 市区町村のホームページ等から一般廃棄物処理業の許可業者を探す
  • 追加料金の有無を確認する
  • 作業内容、料金を明確に出してもらう
  • キャンセル料を確認する
  • 複数社から見積もりを取る

この5つのうち、最初のひとつが最も大事です。許可のある事業者かどうかで、あとの4つの意味が変わってきます。

市区町村のホームページには、許可業者の一覧が載っていることがあります。見つからないときは、窓口に問い合わせれば案内してもらえます。

一覧に載っている会社であれば、少なくとも許可の点は確認済みです。そのうえで、追加料金とキャンセル料の条件を比べていくと、判断の材料がそろいます。

5つのうち、追加料金の有無とキャンセル料は、聞き方を決めておくと差が出ます。追加料金は「基本料金のほかに、人件費や廃棄費用といった名目でかかることがありますか」と聞いてみてください。

国民生活センターが挙げている追加請求のされ方を、そのまま確かめられる聞き方です。

キャンセル料は、いつまでなら無料か、当日に断ったらいくらかまで聞いておいてください。どちらも口頭ではなく、見積書に書き添えてもらうと後から比べられます。

当日までにやっておくこと

残す物と処分する物は、作業の前に分けておいてください。目で見て分かる形にしておくと、当日の人員が変わっても伝わります。

見積もりの内訳は、品目や数量まで書かれているかを見ます。「一式」だけの見積もりは、後から追加請求の理由になりやすいものです。

進め方の全体像は実家の片付け業者の選び方に、トラブルが起きたあとの動き方は遺品整理業者のトラブル事例と防ぎ方にまとめました。

(出典)国民生活センター:不用品回収サービスのトラブル

不用品回収の無料についてよく聞かれる質問

無料という表示そのものが違法というわけではありません。問題になるのは、家庭の廃棄物を許可なく回収する場合と、表示と請求が食い違う場合です。

無料になりやすいのは、資源として値がつく物です。何が対象かは会社ごとに違うので、品目を先に伝えて確かめてください。

金額の相場については、地域と物量で大きく変わるため、ここでは数字を出していません。市区町村の粗大ごみの手数料は公表されているので、そちらを基準にすると比べやすくなります。

無料回収はすべて違法ですか

違法と決まっているわけではありません。買取や有価物の引き取りとして成り立っている形もあります。

確かめるのは、家庭の廃棄物として回収するなら市区町村の許可があるかどうかです。

チラシに許可番号が書いてあれば安心ですか

番号の種類を見てください。環境省は、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では家庭の廃棄物を回収できないとしています。

無料と言われたのに請求されました

事前の見積もりと違う高額な請求であれば、その場での支払いを断ってよいと国民生活センターは案内しています。消費者ホットライン188から相談できます。

家電は無料で引き取ってもらえますか

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象です。リサイクル料金と収集運搬料金がかかります。

まだ使える家電はどうすればよいですか

中古品として売る道があります。環境省は、古物商の許可を持つ信用できる業者に買取りを依頼するよう案内しています。

巡回している回収車に頼んでもよいですか

会社名や許可を確かめにくいため、当サイトではお勧めしていません。渡したあとでは、請求について話し合う相手にたどりつけないことがあります。

許可業者はどこで探せますか

市区町村のホームページや窓口で案内されています。ごみが出る市区町村のものを探してください。

実家が遠方でも頼めますか

頼めますが、確かめるのは実家がある市区町村の許可です。立ち会えない場合は、見積もりと作業内容を書面で残しておくと安心です。

まとめ|「無料」の表示より先に許可を見る

不用品回収の「無料」は、買取で相殺する形、有価物だけを引き取る形、あとから費用が出てくる形の3つに分かれていました。

家庭から出る不用品の収集運搬を業として行えるのは、原則として市区町村の一般廃棄物処理業の許可を持つ事業者か、市区町村から委託を受けた事業者です。産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できません。

全国の消費生活センターに寄せられた相談は2018年度から2021年度にかけて増え続け、2021年度は2,231件でした。定額パックや詰め放題の表示と、当日の請求が食い違う形が中心です。

次にやることの順番

次にやるとすれば、市区町村の窓口で許可業者を調べ、追加料金とキャンセル料まで含めて複数社から見積もりを取ることです。

掲載した内容は一般的な情報であり、個別の判断を保証するものではありません。許可の運用や粗大ごみの出し方は市区町村によって異なります。

困ったときは消費者ホットライン188から、最寄りの消費生活センターに相談してください。

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