本の処分方法|実家の本を資源に出す・売る・頼むの分け方

捨てにくいモノの始末

本は、挟まっているものを抜いてから、売る・資源に出す・業者に頼むの3つに分けます。挟まっているものを抜くのが先で、縛るのは最後です。

父の書斎に本棚が3本、押し入れには段ボールが積んである。全集も文庫本も混ざっていて、売れるものがあるのかも分からない。資源ごみに出そうとしたら、量が多くて回収日に出しきれなかった。

ここでは、古紙再生促進センターの説明と自治体の案内、消費者庁の資料と廃棄物処理法をもとに、手順と、業者に確かめることを整理します。当サイトは片付けや買取を請け負う事業者ではなく、公的資料と自治体の案内を読んで整理する立場です。特定の買取業者はすすめません。

  1. 結論:手順は「抜く・分ける・確かめる・出す」
    1. この記事で扱わないこと
  2. まず、本に挟まっているものを抜く
    1. 古紙のリサイクルに混ぜられないもの
    2. 一人で決めない・先に分けておくもの
  3. 売る候補を先に分ける
    1. 本の売り先はどう分かれるか
    2. 受入条件で見る5つ
    3. 店頭・宅配・出張の違い
  4. 家に来てもらって売るときは、本は訪問購入の適用除外
    1. 渡したら戻らない、という前提で動く
    2. 呼ぶ前・当日・帰ってもらったあと
  5. 資源に出せるか、ごみとして出すかは、汚れ・加工・異物で決まる
    1. 世田谷区が挙げている4つ
    2. 古紙再生促進センターの区分と、自治体の区分は別のもの
  6. 自治体の案内で見る5つ
    1. この5つでは決まらないもの
  7. 縛り方と袋の使い方
    1. 縛るときに手が止まりやすいところ
  8. 量が多いときの3つの道
    1. 拠点回収や持込先を使うとき
  9. 業者に頼むときに確かめること
    1. 3つの扱いと、確かめること
  10. 実家に多い本は、買取のどこで落ちるか
    1. 受入条件のどこで落ちやすいか
  11. 遠方から通っているときの日程の組み方
    1. 行く日と行かない日で分ける
  12. よくある質問
    1. 本は燃えるごみに出せますか
    2. ハードカバーの表紙は外しますか
    3. ビニールカバーはどうしますか
    4. 本に挟まっていたお金や手紙はどうしますか
    5. 一度に出せる量に決まりはありますか
    6. 訪問買取で本を売っても大丈夫ですか
    7. 図書館に寄付できますか
  13. まとめ

結論:手順は「抜く・分ける・確かめる・出す」

実家の本を片付ける4つの段階

本の片付けは4つの段階に分かれます。順番を先に決めておくと、本棚の前で迷いにくくなります。

  1. 抜く:本に挟まったレシート・写真・手紙・現金などを抜く
  2. 分ける:売る・資源に出す・業者に頼むの3つに分ける(決められないものは手元に残す)
  3. 確かめる:実家のある市区町村の案内で、資源に出せる区分と回収日を確かめる
  4. 出す:行き先に合わせて出す

売れず、資源としても受け入れられない本は、市区町村のごみ区分を確かめて出します。量が多いときや回収日に合わないときは、拠点回収や業者を組み合わせます。

この記事で扱わないこと

関連する疑問については、それぞれの記事で詳しく説明しています。本以外の売れるもの全般と売り先の選び方は実家で売れるものにあります。業者とのやり取りやトラブルは遺品整理業者のトラブル事例と防ぎ方、片付け全体の順番は実家の片付けはどこから?です。

この記事は、そのうち本に固有のところだけを扱います。

まず、本に挟まっているものを抜く

古い本を開いて挟まっていたものを確かめる手元

本から抜いたものの行き先

本を縛る前に、一冊ずつ開いて中を確かめます。手間のかかる作業ですが、ここを飛ばすと2つの問題が起きます。古紙に混ぜられないものが混ざること、そして、あとで戻らないものを捨ててしまうことです。実家の本には、レシート、写真、切り抜き、手紙、現金が挟まっていることがあります。開かずに縛ると、そのまま持って行かれます。 抜いたものは、古紙に混ぜられないもの、一人で決めないほうがよいもの、片付けの前に分けておくものに分けます。紙だけでできている切り抜きは、資源に回す紙として扱って構いません。押し花や台紙のついたものは、一人で決めないほうがよいものの山へ回します。

古紙のリサイクルに混ぜられないもの

古紙再生促進センターは、古紙にしてはいけないもの(禁忌品)の例として、シール・レシート・写真などを挙げています。理由は「禁忌品が混ざると生産工程での機械トラブルや不良品の原因になるからです」と説明されています。

挟まっていたもの なぜ抜くか どこへ
レシート(感熱紙のもの) 世田谷区は「感熱紙(レシート、ファックス紙など)」を資源に出せないものに挙げています 自治体指定のごみ区分へ
写真 同センターは禁忌品の例に「写真」を挙げています 写真・アルバムの処分へ。相続人がいるなら、捨てる前に扱いを共有します
シール 同センターが禁忌品に挙げています 自治体指定のごみ区分へ
金・銀・アルミ箔のついた紙 世田谷区は「紙以外のものがついている紙」に挙げています 自治体指定のごみ区分へ

「なぜ抜くか」に挙げた世田谷区の記述は一例です。どの区分に出すかは、実家のある市区町村の案内で決まります。

付箋は、本から外したうえで、紙製かフィルム製かの別と、粘着部分の扱いを確かめます。案内に書かれていないことがあります。その場合は窓口に電話で聞きます。

一人で決めない・先に分けておくもの

市販の本は、次の章のやり方で処分の方針を相続人と共有し、意見が分かれたものを保留にすれば、一冊ずつ相談する必要はありません。挟まっていたもののうち、別に扱いを相談したいのは次のものです。

挟まっていたもの 何に気をつけるか
現金・商品券 相続の対象になりえます。相続人で共有してから決めます
手紙・はがき 差出人の住所氏名が載ります。処分の仕方を家族で決めます
通帳や証書のたぐい 金融機関の手続きに要ります。片付けの前に分けておきます
押し花・台紙のついた切り抜き 故人の手が入ったものは、捨てる前に相続人と扱いを共有します。紙以外のものがついていれば資源に出せないことがあるので、扱いを決めたあとは自治体指定のごみ区分に出します

相続放棄を検討している場合は、価値のありそうなものを自己判断で処分せず、専門家に確認してください。

(出典)公益財団法人 古紙再生促進センター:古紙のリサイクル

(出典)世田谷区:古紙の出し方

売る候補を先に分ける

抜く作業が終わったら、売る候補を分けます。相続人が複数いるなら、分けた時点で、売る山と資源に出す山の両方を写真に撮って共有します。 あとで「そんな本があったのか」と言われないためです。意見が割れたものは、その場で結論を出さず「手元に残す」へよけます。

売った代金をどう扱うかも、売る前に決めておきます。誰が受け取り、いつ金額を知らせるかを先に伝えておけば、売ったあとの説明が短く済みます。分ける物差しは、買取先が公開している受入条件です。売ると決めたものは資源に出さないので、分けてから縛るという順番になります。本以外の売れるものは実家で売れるものにあります。

本の売り先はどう分かれるか

本の売り先は、古書店や専門書を扱う店と、総合リサイクルショップに分かれます。専門書や全集、コミックや文庫の取扱いは店によって異なります。実際の線引きは、各社が公開している取扱ジャンルの記載で確かめます。

もう一つ、一冊ずつ自分で売る道(フリマアプリやネットオークション)もあります。ただし、冊数が増えるほど撮影と梱包と発送が積み上がります。本棚ごと片付ける場面では、買取先の受入条件で分けるほうが、手を動かす回数が少なくて済みます。

受入条件で見る5つ

買取先の受入条件を読むときは、次の5つを見ます。実家の本を分けるときも、この5項目が物差しになります。

  • 取扱ジャンル:専門書だけ、コミックだけ、といった限定があるか
  • 版:初版か重版か、改訂版が出ていないか
  • 書き込み:線引き、名前、日付の書き込みがあるか
  • 状態:日焼け、シミ、カバーや帯の欠品、水濡れの跡
  • 付属品:函(はこ)、別冊、付録のCDや地図がそろっているか

受入条件は、買取サービスのサイトなら「買取できないもの」「買取不可品目」といったページにまとまっています。店頭なら、掲示で確かめるか、店に電話で聞きます。持ち込む前に読んでおくと、運んでから断られる事態を減らせます。

店頭・宅配・出張の違い

同じ買取でも、頼み方が3つあります。誰が本を動かすか、向いている量、気をつけることが変わります。

頼み方 本を動かすのは 向いている量 注意
店頭に持ち込む 自分 車に積める範囲 受付時間と、一度に持ち込める冊数を確かめる
宅配で送る 自分(梱包) 段ボール数箱 箱数の上限と、送料や返送料の扱いを確かめる
家に来てもらう 業者 本棚ごと 本は訪問購入の適用除外の物品で、クーリング・オフは使えない(次の章)

当サイトは買取価格の相場を載せていません。本の値段は状態と版で大きく変わるため、載せた数字がそのまま当てはまらないからです。

家に来てもらって売るときは、本は訪問購入の適用除外

査定に出す本を分けて置いた食卓

チラシに「出張買取」「訪問買取」とあるものは、法律では訪問購入といいます。訪問購入では、書面を受け取った日から8日以内なら理由を言わずに契約をやめられますが、書籍はその対象から外れています。消費者庁の資料「特定商取引に関する法律施行令第34条で規定する物品の具体例」を見ると、番号4は「書籍」です。その例として「事典、全集物、写真集、問題集、雑誌、単行本」が挙げられています。つまり家に来た業者に本を売っても、訪問購入のクーリング・オフは使えません。除外の効果はクーリング・オフだけではありません。書面の交付義務を含めて、訪問購入の規定そのものが本には及びません。

渡したら戻らない、という前提で動く

消費者庁は、対象になる物品について「法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば」クーリング・オフができると説明しています。本はこの枠の外なので、渡したあとに訪問購入のクーリング・オフで取り戻すことはできません。訪問購入の仕組みと規定全体は遺品整理業者のトラブル事例と防ぎ方とタンスの処分にあります。

貴金属や着物は適用除外の物品には入っていないので、原則としてクーリング・オフの対象です(個別の条件は消費者庁の案内で確かめてください)。使えないのは本のほうです。 同じ場で話が進むと、どれがやめられてどれがやめられないのか分からなくなります。本の査定と、貴金属や着物の査定を同じ日にまとめないでください。

呼ぶ前・当日・帰ってもらったあと

本に限っていえば、その場で売る合意をせず、本も渡さないことが大切です。

  • 呼ぶ前:電話で「本だけを見てほしい」「その日には売らず、査定額だけ聞きたい」と先に伝える。あわせて、査定だけの訪問ができるか、売ると決めた場合に後日引き取ってもらえるか、その費用がかかるかを確かめる。対応できないと言われたら、別の買取先か、店頭・宅配を考えます
  • 当日:その場で決めない、その場で渡さない。 査定額は書いて残してもらうよう頼み、本は家に置いたまま帰ってもらう。一人で立ち会わず、家族の誰かに同席してもらうか、電話をつないでおく
  • 帰ってもらったあと:ほかの買取先の受入条件と査定額を並べて比べる
  • 決めるとき:売却先・売る本・査定額を相続人と共有して決め、買取先と引き渡し日を調整する

書面の交付義務は本には及ばないので、書いて残すことを断られることもあります。そのときは、聞いた金額と日付、業者名と担当者名を自分で書き留め、その場で相手に読み上げて確かめます。それも渋られたら日を改めます。

査定のあいだに箱詰めが始まったら、そこで止めて構いません。

(出典)消費者庁:特定商取引に関する法律施行令第34条で規定する物品の具体例

(出典)消費者庁:訪問購入

資源に出せるか、ごみとして出すかは、汚れ・加工・異物で決まる

残った本を資源に出せるかどうかは、本の中身ではなく、紙の状態と加工で決まります。世田谷区は、資源に出せないものを4つに分けて示しています。実家の本で引っかかるのは、においや汚れと、挟まっていたものです。表紙やカバーの加工がこの区分にあたるかは、自治体の案内で確かめます。ここで資源として受け入れられないと分かった本は、その自治体のごみ区分に従って出します。本そのものが読めるかどうかは関係がありません。読める本でも、においが移っていれば資源には向きません。逆に、日焼けして売れない本でも、紙として問題がなければ古紙の区分で受け入れられることがあります。

世田谷区が挙げている4つ

  • 「汚れ、におい、油のついた紙(洗剤や線香、ピザの箱、猫の爪とぎなど)」
  • 「紙以外のものがついている紙(宅配便の複写伝票などのカーボン紙、お菓子の包み紙などの金・銀・アルミ箔が使用された紙)」
  • 「防水など特殊な加工がされている紙(圧着はがき、紙コップ、紙皿、ヨーグルトやアイスのカップなど)」
  • 「感熱紙(レシート、ファックス紙など)」

線香やしょうゆのにおいが移った本や、カビの出た本は、この基準に引っかかることがあります。水に濡れて波打った本の扱いは、この4つに書かれていないので、自治体の案内か、清掃の窓口で確かめてください。

(出典)世田谷区:古紙の出し方

古紙再生促進センターの区分と、自治体の区分は別のもの

紙のリサイクルには、業界としての区分と、自治体が決める排出の区分の2つがあります。センターは雑誌の区分について「読み終わった雑誌・書籍・印刷冊子類が対象です」として、書籍を雑誌に入れています。雑がみについては「雑がみは、新聞・雑誌・段ボール・飲料用紙パック以外の紙・板紙のことです」と説明しています。

ただし、実際にどう出すかは実家のある市区町村の案内で決まります。センターの分類は業界の区分であって、排出の区分そのものではありません。

(出典)公益財団法人 古紙再生促進センター:古紙のリサイクル

自治体の案内で見る5つ

実家のある市区町村の案内を開いて、この5つを控えておくと、基本的な出し方と日程を整理できます。出し方や回収日について「自治体の案内で確かめて」と書いているのは、この5つのことです。

  • 区分の名前:雑誌なのか、雑がみなのか、古紙とひとまとめなのか
  • 出し方:ひもで縛るのか、紙袋に入れるのか。粘着テープが使えるか
  • 回収日:何曜日か、毎月何日か
  • 1回に出せる量:束数や重さの決まりがあるか
  • 拠点回収:集積所とは別に持ち込める場所があるか

案内に「1回に出せる量」の項目が書かれていないときは、集積所の管理者か、市区町村の清掃を担当する窓口に電話で聞きます。「古紙は1回に何束まで出せますか」と聞けば足ります。

この5つでは決まらないもの

一点ごとの扱い(濡れた本、ビニールカバー、付箋、函)は、この5つでは決まりません。案内に書かれていなければ、市区町村の清掃を担当する窓口に電話で確かめてください。窓口は、市区町村のサイトの「ごみ・リサイクル」のページか、ごみ収集カレンダーの下に載っています。清掃事務所や環境センターが別にある自治体では、そちらが担当です。基本の聞き方は「◯◯は、古紙の資源に出せますか。出せない場合はどの区分になりますか」です。◯◯には、濡れた本、函のついた本、付箋のついた本、ビニールカバーの本を入れ替えて当てはめてください。

縛り方と袋の使い方

ひもで十字に縛った本の束

出し方にも決まりがあります。世田谷区は「まとめてひもで十字にしばってください。※粘着テープは使えません」と案内しています。ひもで縛れないものについては「ひもでしばることのできない小さな紙などは紙袋(紙以外の持ち手は可燃ごみへ)に入れてください」としています。粘着テープが使えないという点は、見落とされやすいところです。本を詰めた段ボール箱を、そのまま箱ごと出してよいかは案内に書かれていないので、箱で運ぶつもりなら窓口に確かめてください。 本は重いので、縛り方を決めてから運びます。これも世田谷区の例なので、実家のある市区町村の案内で確かめてください。

縛るときに手が止まりやすいところ

  • 量:一束を縛ったら、その場で持ち上げて集積所まで運べるかを試します。運べなければほどいて2束に分けます
  • カバーと函:外すかどうかで束ね方が変わります。区分は前の章の「この5つでは決まらないもの」で窓口に聞いておき、答えが出るまでは本の束と別にまとめておきます
  • 雨:濡れた紙を資源として受け付けるかを窓口に電話で確かめます。天気を見て出します

(出典)世田谷区:古紙の出し方

量が多いときの3つの道

実家の片付けでは、回収日1回では終わらないという前提で組むほうが現実的です。選べる道は、回収日に合わせて分けて出す、拠点回収や持込先を使う、業者に頼む、の3つです。どれを選ぶかは、次の回収日までに出しきれるか、自分で車に積んで運べるか、いつまでに部屋を空けるかで決まります。先に量を把握しておくと話が早く、段ボール何箱ぶんか、本棚何本ぶんかで構いません。

1つ目の「分けて出す」は、「自治体の案内で見る5つ」が分かれば決まります。本棚1本を何束と見るかを一度計っておけば、あと何回の回収日が要るかが読めます。3つ目の「業者に頼む」は次の章で扱います。ここでは2つ目の拠点回収を見ます。

拠点回収や持込先を使うとき

集積所とは別に、古紙を持ち込める場所を設けている自治体や事業者があります。使う前に確かめておきたいのは次の4つです。

  • 本を受け入れているか(新聞と段ボールだけ、という場所もあります)
  • 受付の時間と曜日
  • 一度に持ち込める量
  • その市区町村に住んでいる人でないと使えないか(実家の住所で使えるか)

業者に頼むときに確かめること

業者に頼む場合、確かめるのは会社の名前ではなく、どの扱いになるかと、それに対応する許可です。本の場合、3つに分かれます。家庭ごみとして運んでもらうのか、古紙として再生利用に回すのか、買い取ってもらうのかで、必要な許可が変わるからです。見積もりの前に「この本はどの扱いになりますか」と聞いておくと、あとで請求の内訳を読むときにも役に立ちます。当サイトは業者をすすめる立場ではないので、確かめ方だけを書きます。

3つの扱いと、確かめること

どの扱いか 確かめること
家庭ごみとして運んでもらう 実家のある市区町村での許可か、その市区町村からの委託か
古紙として再生利用に回す 許可が要らない場合がある。代わりに「引き取った本をどこへ持って行くか」を聞く
買い取ってもらう 古物商の許可があるか(実家で売れるものに確かめ方をまとめています)

このうち許可の根拠は、廃棄物処理法第7条第1項です。「一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域…を管轄する市町村長の許可を受けなければならない」と定めています。

古紙として再生利用に回す場合は、同項のただし書が効きます。「専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者…については、この限りでない」とあり、許可が要らない場合があります。ただし、再生利用されない場合はこの例外にあたりません。だから「どこへ持って行くか」を聞いておきます。

「実際に運ぶのはどの会社ですか」も、あわせて聞いておいてください。引き取ったあとに別の会社へ渡していることがあるためです。運ぶ会社が変わると、確かめるべき許可もその会社のものになります。

(出典)e-Gov法令検索:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第7条第1項

実家に多い本は、買取のどこで落ちるか

実家の本棚には、いま買う人が少ないものが並んでいることがあります。百科事典、文学全集、古い年鑑、電話帳、資格の参考書、旅行ガイド。故人が残していたものだけに、家族としては捨てにくく感じます。ただ、買取の受入条件を読むと、扱っていないと書かれていることがあります。売れなかったからといって、価値がなかったわけではありません。 売る道が閉じただけです。行き先は、資源に出すか、資源として受け入れられなければ自治体のごみ区分で出すか、業者に頼むかになります。どうしても決められないものは「手元に残す」へよけると決めておくと、手が止まりにくくなります。図書館などへ寄付できるかは、よくある質問で扱っています。

受入条件のどこで落ちやすいか

受入条件の5項目を実家によくある本に当てはめると、落ちる場所の見当がつきます。以下は当たりを付けるための整理で、実際に扱うかどうかは各社の記載で決まります。

本 落ちやすいところ
百科事典・文学全集 付属品(函の欠け)と状態(日焼け)。巻がそろっているかも見られます
古い年鑑・白書 版。新しい年のものが出ていると、扱いの対象から外している買取先があります
電話帳 取扱ジャンル。そもそも扱いの対象にしていない買取先があります
資格の参考書 版。法改正や試験制度の変更で改訂されると、古い版を扱わない買取先があります
旅行ガイド 版。新しい版が出ていると、古い版を扱わない買取先があります
故人の書き込みがある本 書き込み。売るより、写真に撮って残すという選び方もあります(残すか売るかは相続人と共有してから決めます)

本棚そのものは、中身が空になってからでないと運べません。考え方はタンスの処分が近いです。本に挟まっていた写真や、本棚から出てきたアルバムは写真・アルバムの処分へ。

遠方から通っているときの日程の組み方

実家が遠いと、行ける日が限られます。ここでは、行った日にしかできないことと、行かない日にできることを分けます。この分け方をしておくと、行った日に何をするかが決まり、往復が無駄になりません。行かない日にできるのは、自治体の案内と買取先の受入条件を読むこと、拠点回収の受付時間を調べること、業者に電話して扱いを聞くことです。当日にすべてを決めようとすると、途中で止まることがあります。回収日と行ける日が合うかどうかも、行く前に分かります。片付け全体の順番は実家の片付けはどこから?、全体の進め方は実家じまいとは?で説明しています。

行く日と行かない日で分ける

行かない日にできること 行った日にしかできないこと
自治体の案内で5つを控える 本を開いて挟まったものを抜く
買取先の受入条件を読む 量を見て写真を撮る
拠点回収の受付時間を調べる 縛って出す(回収日と合えば)
業者に電話して扱いを聞く 立ち会って査定を受ける

行く日と回収日が合わないときは、無理に持ち帰らず、次の回収日に回すか、拠点回収を使います。現地でやることは、本棚1本ぶんに絞ると決めておくと、時間の見当が立ちます。

よくある質問

判断に迷いやすい7つに答えます。本は燃えるごみでいいのか、ハードカバーの表紙やビニールカバーをどうするのか、訪問買取に来てもらってよいか、といったところです。

窓口や買取先に聞くことになる問いには、電話でそのまま使える言い方を添えました。実家のある市区町村で扱いが違う項目には、その旨を明記しています。同じ問いでも、自治体によって答えが変わることがあるためです。答えが分かれる項目ほど、先に電話で確かめておくと、実家へ行った日に迷わずに済みます。

本は燃えるごみに出せますか

自治体によって区分が違います。古紙再生促進センターは書籍を雑誌の区分に入れていますが、実際の出し方は実家のある市区町村の案内で決まります。「本は雑がみですか、雑誌ですか、可燃ごみですか」と聞いてください。

ハードカバーの表紙は外しますか

自治体の案内で決まります。表紙の芯に布やビニールが貼られていることがあり、「紙以外のものがついている紙」にあたるかどうかが分かれ目です。「ハードカバーの本は表紙を付けたまま資源に出せますか。外す必要がある場合、表紙はどの区分ですか」と窓口で聞くのが確実です。

ビニールカバーはどうしますか

紙以外のものがついている状態にあたることがあります。世田谷区は「紙以外のものがついている紙」を資源に出せないものに挙げています。外せるものは外し、「ビニールカバーを外せば、本は資源に出せますか」と確かめてください。

本に挟まっていたお金や手紙はどうしますか

現金や商品券は相続の対象になりえます。一人で決めず、相続人で共有してから扱いを決めてください。手紙やはがきは差出人の住所氏名が載るので、処分の仕方も家族で決めます。

一度に出せる量に決まりはありますか

自治体の案内に「1回に出せる量」の項目があるかを見てください。書かれていなければ、「古紙は1回に何束まで出せますか」と清掃の窓口に聞きます。

訪問買取で本を売っても大丈夫ですか

書籍は訪問購入の適用除外なので、訪問購入のクーリング・オフは使えません。電話では「本だけを見てほしい。その日には売らず、査定額だけ聞きたい」、当日は「今日は売りません。査定額を書いて残してもらえますか」と伝えてください。本はその日に渡さないでください。

図書館に寄付できますか

受け入れの基準は図書館ごとに違い、受け付けていないところもあります。「個人からの本の寄贈は受け付けていますか。受け付けている場合、対象と冊数の条件を教えてください」と電話で確かめてください。

(出典)公益財団法人 古紙再生促進センター:古紙のリサイクル

(出典)世田谷区:古紙の出し方

まとめ

本の片付けは、抜く、分ける、確かめる、出すの順で進みます。

今日できるのは、実家のある市区町村の案内を開いて、区分・出し方・回収日・1回に出せる量・拠点回収の5つを控えることです。次に実家へ行く日は、本棚1本ぶんだけでも本を開いて中を確かめ、分けた山を写真に撮って相続人へ送る、と決めておくと当日の作業が進みます。

進め方で迷ったときはお問い合わせからご相談ください。個別の査定や区分の判断はお答えできませんが、確認の順番の整理はお手伝いできます。

※分別のルールは市区町村ごとに異なります。引用した案内は世田谷区の例です。買取の評価は事業者や時期で変わります。この記事は考え方の整理です。

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