実家の電気・ガス・水道の解約|止める順番と残す設備の判断

進め方ガイド

実家の電気・ガス・水道の解約は、ライフラインをまとめて申し込めば終わる手続きに見えて、実際には家の使い道と残っている設備で判断が分かれます。止め方のうち、水道の廃止は給水管などの撤去を伴い、元に戻すのに工事が要ります。LPガスも、供給設備を撤去したあとは設備の設置からやり直しになります。ほかは申し込みで再開できる手続きなので、同じ「止める」でも重さが違います。

当サイトは片付けや解体、不動産の売買を請け負う事業者ではありません。手続きを代行する立場ではなく、条文と公的資料を読んで確かめる順番を整理しています。

  1. 実家の電気・ガス・水道は止め方と戻し方で選ぶ
    1. 電気・ガス・水道を一度に止めず用途で判断する
    2. 水道の使用中止と廃止は元に戻す条件が異なる
    3. ブレーカーや元栓の操作と契約の終了を区別する
    4. 検針票と明細から契約先と契約番号を先に押さえる
  2. 電気を落とす前に止まる設備を確かめておく
    1. 浄化槽は電源を切らないことが省令で定められている
    2. 給湯器の凍結防止はブレーカーを落とすと働かない
    3. 防犯設備と井戸ポンプも含めて残すか決める
    4. 分電盤の回路表示と屋外機器から電気で動くものを数える
  3. 止めずに残すと、電気・ガス・水道は何が続くのか
    1. 水道は届け出るまで使わなくても料金がかかる
    2. 手数料や違約金の有無は契約先と自治体で分かれる
    3. 申し出るまで契約は終わらないので連絡を先に
    4. 空き家の実家で通電・通水を残すなら担当と間隔を決める
  4. 実家の使い道で電気・ガス・水道の順番が変わる
    1. 解体では工事に使う電気と水道を先に確認する
    2. 売却や賃貸では内見と引き渡しの予定から決める
    3. 当面管理する実家は使う設備を先に決めて残す
  5. 名義人が亡くなった実家の解約と未払いを確認
    1. 手続きする人と必要な書類は契約先ごとに確認
    2. 名義の継承と契約終了では未払いの扱いが変わる
    3. 相続放棄を考えているときは支払いの前に相談
  6. 連絡の前にそろえる情報と電気の止め方の手順
    1. 契約先が分からないときは手がかりをたどる
    2. 伝えることと確かめることを4つの契約で一度に整理
    3. 電気の停止時の立会いと再開条件を窓口で確認
  7. ガスの閉栓で立会いが要るのはどんなときか
    1. メーターまで立ち入れるかで閉栓の立会いが決まる
    2. 法律は調査のための立ち入りに承諾を求めている
    3. ガスを再び使うときは開栓の立会い日程を組む
  8. LPガスは閉栓と設備の撤去を分けて進める
    1. 契約書面で供給設備と消費設備の所有者を確認
    2. 撤去は解除の申し出と撤去の要求がそろって義務になる
    3. 配管の精算条件は契約書面の記載で見る
    4. 立会いの条件は都市ガスと同じとは限らない
  9. 水道は使用中止と廃止のどちらかを選んで届ける
    1. 使う予定が全く無いと決まっているかで選び分ける
    2. 扱いが自治体で分かれるのは供給規程があるから
    3. 給水装置は所有者の財産として扱われる
  10. 空き家に残る凍結・郵便・受信契約の後始末
    1. 気温が下がる前に水抜きと保温を確かめておく
    2. 長く水を流さない排水口はにおいが上がることがある
    3. 郵便転送は届出日から1年、請求先そのものも切り替える
    4. 転送不要の郵便と転居届の登録にかかる日数
    5. 受信契約は要しなくなったときに直ちに届け出る
  11. 実家の電気・ガス・水道の解約でよくある質問
    1. 実家の電気・ガス・水道はまとめて解約できる?
    2. 全部解約すれば空き家の維持費はかからない?
    3. 水道の使用中止やガスの閉栓後はすぐ戻せる?
    4. 名義人が亡くなった場合の変更期限はいつまで?
    5. ブレーカーを落とせば電気代はかからない?
  12. まとめ|止める前に確かめる順番と戻すときの条件
    1. 確かめる順番は契約先・設備・用途・名義の4つ
    2. 止め方を決める前に、戻すときの条件を見ておく

実家の電気・ガス・水道は止め方と戻し方で選ぶ

止めるかどうかは、一度に決めずに契約ごとに分けます。片付けや内見で水を使うのか、浄化槽や給湯器が動いているのか、次に人が入るのはいつなのかで答えが変わるからです。

判断の軸に置きたいのは、戻すときに何が要るかです。電気の契約終了もガスの閉栓も水道の使用中止も、申し込めば再開できます。一方で水道の廃止は給水管などの撤去を伴うので、同じ場所で使い直すときに工事から始めることになります。

金額から入ると、この差が見えません。先に戻し方を並べておくと、止める日を決める前に確かめることが自然に決まります。

止め方で変わる、もう一度使うときの手続き

電気・ガス・水道を一度に止めず用途で判断する

まとめて止めると手間は減りますが、そのあとの作業で困ることがあります。片付けの日に水が出ない、内見のときに照明がつかない、解体の前に水が使えない。どれも「全部止めた」ことが原因で起きます。

決め方は単純です。この家をこれからどう使うのかを先に決め、そこで必要になるものだけを残します。用途が決まっていないなら、決まるまで止めない契約があってもかまいません。

水道の使用中止と廃止は元に戻す条件が異なる

水道には段階が2つあります。使用中止は、しばらく使わないあいだ水を止めておく手続きです。水道メーターや、元栓の開け閉めに使う取っ手を取り外して、使えない状態にする扱いになることがあります。廃止は、将来にわたって使う予定が全く無い場合などに、止水栓を含む給水管をすべて撤去して水道を使う権利そのものを終える手続きになります。

この2つは戻し方が違います。使用中止は申し込みで再開できますが、廃止したあとに同じ場所で使うには、加入金の納付と引込工事から始めることになります。

呼び方は事業者で分かれます。使用中止を「閉栓」「休止」と案内する事業者もあるので、申し込むときはどちらの手続きなのかを言葉ではなく中身で確かめてください。

ブレーカーや元栓の操作と契約の終了を区別する

ブレーカーを落とす、元栓を閉める、蛇口の止水栓を閉める。これらは設備の操作であって、契約の終了ではありません。操作しただけでは契約は続いたままです。

逆に、契約を終わらせても設備がその場に残ることがあります。操作と手続きは別々に確かめると、あとで「止めたはずなのに請求が来る」という食い違いが起きにくくなります。

検針票と明細から契約先と契約番号を先に押さえる

最初にやるのは、契約先の特定です。検針票や請求書、預金通帳の引き落とし明細、郵便受けにたまった封書のあたりから、電気・ガス・水道それぞれの会社名と契約番号を書き出します。

電気は小売の自由化で契約先が地域の会社とは限りません。ガスも都市ガスかLPガスかで相手が変わります。スマートフォンやパソコンに手がかりが残っていることもあるので、探し方はデジタル遺品の整理はどうする?スマホと口座の調べ方にまとめてあります。

止め方 止まるもの 再び使うときの確認
電気のブレーカー操作 つないでいる設備への給電 契約は続いている。上げれば使える
電気の契約終了 電気の使用契約 使用開始の申し込みと設備の条件
ガスの閉栓 ガスの使用 開栓の申し込みと立会いの日程(LPガスは条件が異なることがある)
水道の使用中止 水道の使用 使用再開の申し込みと日程
水道の廃止 水道を使う権利(止水栓を含む給水管を撤去する) 加入金の納付と引込工事から(金額と負担の区分は事業者で分かれる)
LPガスの供給設備の撤去 供給そのもの 新しい販売契約と設備の設置から

各行の根拠は、それぞれの章の出典にも示します。

(出典)大田市:廃止と閉栓の違いについて

電気を落とす前に止まる設備を確かめておく

屋外の給湯器と電源の接続部分を目視で確かめている場面

誰も住んでいない家でも、電気で動き続けている設備があります。ブレーカーを落とすと、その設備がまとめて止まります。止まって困るものが1つでもあるなら、節約のつもりの操作が損につながります。

とくに浄化槽は、電源を切らないことが省令で定められています。給湯器の凍結防止も電気で働くので、冬に落とすと別の問題が出ます。

なお、浄化槽そのものの休止や廃止の届出は、この記事では扱いません。手続きの中身は空き家の実家の浄化槽はどうする?使い続ける・休止・廃止の分け方のほうにまとめてあります。

浄化槽は電源を切らないことが省令で定められている

環境省関係浄化槽法施行規則の第1条は、浄化槽を使う人が守る準則を並べています。その第5号が「電気設備を有する浄化槽にあつては、電源を切らないこと」です。環境省の浄化槽Q&Aにも「ブロアの電源を絶対に切らない」と書かれています。

ブロアは槽の中の微生物へ空気を送る装置なので、止まると処理が続かなくなります。節約の話ではなく、使い続けているあいだは守る決まりだと考えてください。

給湯器の凍結防止はブレーカーを落とすと働かない

一部の水道事業者は、ブレーカーを落とすと給湯器の凍結防止機能が働かなくなると注意を促しています。長く留守にするときはブレーカーを落とす前に水抜きをするように、という案内です。

冬の実家で「節約のために全部落とした」あとに給湯器が壊れる、という流れはここから生まれます。凍結への備えそのものは後の章で扱います。

防犯設備と井戸ポンプも含めて残すか決める

電気を止めると、24時間換気が動いている家ではその換気も止まります。付いているかどうかは家によって違うので、現地で確かめてください。家の電源から給電しているセンサーライトや録画式のカメラは、電気を止めると動かなくなります。井戸から水をくみ上げている家では、ポンプが動かなくなって水そのものが出なくなります。

仕分けの軸は2つです。止まっても家そのものは使えるものと、止まると給水などの機能が使えなくなったり、設備の維持に支障が出たりするものに分けます。前者はセンサーライトや録画式のカメラ、後者は浄化槽、給湯器の凍結防止、井戸ポンプ、24時間換気が当てはまります。

後者が1つでもあるなら、残すために電気を置いておくという判断がありえます。前者しかない場合でも、防犯を目的に残す選び方はできます。残すなら見に行く担当と間隔まで決めることになりますが、その決め方は次の章で扱います。見に行く形そのものは空き家の管理は何をする?頻度と代行の使い方が詳しいです。

分電盤の回路表示と屋外機器から電気で動くものを数える

何が動いているかは家ごとに違います。図面や記憶ではなく、現地で数えるほうが確実です。

  • 下水道につながっているか浄化槽か(庭にマンホール状の点検口とブロアがあるかを見る。分からなければ実家がある市区町村の下水道の担当窓口へ)
  • 分電盤の回路表示(「浄化槽」「給湯」「換気」「屋外」などの札が手がかりになります)
  • 屋外機器の電源コードがどこへ入っているか(屋内のどの回路につながっているかが分かります)
  • 点検口とメーターボックスの中(浄化槽のブロアや井戸ポンプの電源がここから出ていることがあります)
  • 屋外コンセントに何かささったままになっていないか
  • 取扱説明書や工事の書類がどこにあるか(型番から設備の種類をたどれます)

(出典)e-Gov法令検索:環境省関係浄化槽法施行規則/(出典)環境省:浄化槽Q&A(回答集)/(出典)長岡市水道局:水道管の凍結にご注意ください

止めずに残すと、電気・ガス・水道は何が続くのか

残す判断をするなら、続くのは料金と契約です。水道は、届け出が無いと使っていなくても基本料金がかかると案内している事業者があります。電気とガスも、契約が続いているあいだは契約先の条件どおりに請求が続きます。

止める側の注意だけを並べると、残す側の負担が見えなくなります。両方を並べてから決めてください。

残すこと自体が悪いわけではありません。浄化槽や防犯設備を動かし続けるために電気を置いておく、片付けが終わるまで水を使えるようにしておく。目的があるなら、残す判断で問題ありません。

止めると決めたあとに分かれるのは、手数料や違約金の有無です。そして、連絡しないかぎり契約は終わりません。

水道は届け出るまで使わなくても料金がかかる

一部の水道事業者は、使用をやめるときの案内に「お届けがないと、ご使用されていなくても基本料金がかかりますのでご注意ください」と書いています。蛇口を使っていないことと、料金が止まることは別だという意味です。

電気とガスについては、同じ形の公的な案内を当サイトでは確認できていません。ただし契約が続いていれば契約先の料金体系どおりに請求は続くので、残すと決めたならどの条件でいくらかかるのかを契約先に確かめておくほうが確実です。

手数料や違約金の有無は契約先と自治体で分かれる

水道の使用中止に手数料がかかる事業者もあれば、かからない事業者もあります。廃止の工事費も、事業者の負担と所有者の負担で分かれます。金額はここでは書きません。自分の実家がどちらなのかは、その水道事業者にしか答えられないからです。

資源エネルギー庁の指針は、問題となる行為を挙げています。電気では「需要家からの小売供給契約の解除等を一切許容しない期間を設定すること」「小売供給契約の解除等に関して、不当に高額の違約金等を設定すること」です。

LPガスでは、次の2つが挙がっています。

  • 「契約の解除を一切もしくは長期間許容しない期間や条件を設けること」
  • 「月々のLPガス料金に照らして高額な違約金規定や貸与設備等の買取条項や返金条項を設けること」

契約書にそうした条項があるなら、そのまま受け入れる前に契約先へ確かめてください。その条項が契約のどこに書かれているのか、解除するといくらかかるのかを、書面で示してもらいます。

申し出るまで契約は終わらないので連絡を先に

使わなくなっただけで契約が終了するとは限りません。解約したいなら契約先へ連絡し、終了日と精算の条件を確かめてください。

指針は、小売電気事業者が解除等の申し出を受けた際に本人確認をすべきだとしたうえで、正当な理由なく速やかに応じないことを問題としています。申し出を受けてからの対応について定めた記述です。

連絡が遅れたぶんの料金がどう扱われるかは契約先によります。先に連絡し、そのうえで精算の条件を聞くのが早道です。

空き家の実家で通電・通水を残すなら担当と間隔を決める

通電や通水を残すというのは、蛇口をひねれば水が出て、スイッチを入れれば照明がつく家を、無人のまま置いておくということです。誰かが定期的に見に行く前提が要ります。

誰が、どのくらいの間隔で見に行くのかを決めてから残すと、残す判断が続きます。決まらないまま残すと、料金だけが続くことになります。家そのものを置いたままにしたときに何が起きるかは、空き家を放置するとどうなる?税金・罰則・近隣トラブルにまとめてあります。

契約 残したときに続くこと 止めたときに止まること
電気 契約先の条件どおりの請求 つないでいる設備への給電(前章の一覧のとおり)
ガス 契約先の条件どおりの請求 ガス機器による給湯と調理(都市ガスは再開に開栓の立会いが要る)
水道 届け出るまでの基本料金 通水そのもの。片付けや清掃で使えない

(出典)東京都水道局:手続きに際して/(出典)資源エネルギー庁:電力の小売営業に関する指針/(出典)資源エネルギー庁:液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針

実家の使い道で電気・ガス・水道の順番が変わる

止める時期は、家の使い道から逆算します。解体・売却・賃貸・当面の管理で、必要になる設備も最後に使う日も違うからです。用途が決まっていないうちに全部止めると、決まったあとで戻す手間が増えます。

以下は当サイトによる確認順の整理で、法律で定められた手順ではありません。実際の日程は、解体業者や不動産会社、それぞれの契約先との相談で決まります。

用途がまだ決まらないなら、決まるまでは戻しやすい側に寄せておく手があります。

実家の使い道から決める、止めるまでの順番

解体では工事に使う電気と水道を先に確認する

解体の工事では、粉じんを抑えるために水を使うことがあります。照明や工具に電気が要ることもあります。工事で何を使うのかを先に業者へ聞き、そのうえで止める日を決めます。

ガスは扱いが別です。閉栓だけで足りるのか、設備の撤去まで終えておく必要があるのかを、解体業者と契約先の双方に確かめてください。LPガスの場合は撤去に別の期間がかかるので、その条件は後のLPガスの章にまとめてあります。工事そのものの進み方は家の解体費用はいくら?内訳と見積もりの比べ方が詳しいです。

売却や賃貸では内見と引き渡しの予定から決める

売るときも貸すときも、人が家の中を見に来ます。照明がつかなければ部屋の印象が沈み、水が出なければ水回りの状態を確かめてもらえません。においが上がっていれば、それだけで話が止まります。照明器具や買い置きの蛍光灯をどこまで残すかは、蛍光灯の処分は何ごみ?品番の見分け方と実家の市区町村での出し方で整理しています。

内見の予定が続いているあいだは、電気と水道を残す判断がありえます。引き渡しの日が決まったら、そこから逆算して止める日を置きます。引き渡しの前に止めるのか、契約をそのまま次の所有者へ引き継ぐのかで最終使用日の置き方が変わるので、契約先と不動産会社の双方に確かめてください。売るまでの流れは空き家の売却方法は?仲介と買取の選び方と流れ、貸し出しや登録の道は空き家バンクとは?使い方と登録の流れ、注意点にまとめてあります。

当面管理する実家は使う設備を先に決めて残す

しばらく持ち続けると決めた家では、残す契約を選びます。浄化槽があるなら電気、通水を続けるなら水道。ガスは使う予定が無ければ閉栓しておく。この組み合わせになりやすいところです。

親が施設に入って空き家になった段階なら、家をどうするかの決め方から整理したほうが早いことがあります。順番は親が施設に入ったら実家はどうする?判断の順番にまとめてあります。

今後の用途 最初に確認 次に調整 最後に申し込むこと
解体 工事で使う電気・水道と撤去の範囲 ガスの閉栓と撤去の要否を双方に確認 合意した日での停止と撤去
売却 片付けと内見で使う予定 引き渡し日から逆算した最終使用日 停止または契約の引き継ぎ
賃貸 内見と入居準備で使う予定 使用終了日と次の使用開始日 停止と再開の手続き
当面管理 浄化槽など残す設備と通水の要否 残す契約と止める契約の仕分け 不要な契約の停止

名義人が亡くなった実家の解約と未払いを確認

請求書とメモを手元に置いて電話で問い合わせている場面

実家の契約が、亡くなった親の名義のままになっていることがあります。誰が手続きできるのか、何を持っていけばよいのか、契約を引き継ぐのか終わらせるのかは、契約先ごとに扱いが違います。

先に整理しておきたいのは未払いの扱いと、相続放棄を検討しているかどうかです。この2つは、連絡したあとでは戻せない選択につながることがあります。

連絡の前に、亡くなった日と、これからその家で電気や水を使う予定があるかどうかを手元でまとめておいてください。

手続きする人と必要な書類は契約先ごとに確認

契約先に伝えるのは、契約者が亡くなったこと、連絡している人と契約者の関係、これからも使うかどうかの3つです。そのうえで、必要な書類を教えてもらいます。

相続人なら誰でも解約できる、この書類が必ず要る、といった一律の決まりを当サイトでは確認できていません。契約先に聞くのがいちばん早く、確実です。

聞く項目は、次の4つにまとめられます。

  • 相続人のうち、誰から連絡してよいか(代表者を1人に決める必要があるか)
  • 亡くなったことを示す書類として何が使えるか
  • 原本が要るのか、写しでよいのか
  • 郵送・電話・窓口のどれで済むか
  • 引き落としの口座が使えないとき、最後の請求をどの方法で払えるか

名義の継承と契約終了では未払いの扱いが変わる

公開されている案内を見ると、扱いには型があります。契約をいったん終了して新しい名義で結び直す型、継承して権利と義務をそのまま引き継ぐ型、請求の引き継ぎの要否を選べる型です。継承すると、請求中の支払いも引き継ぐことになる場合があります。

停止と名義変更を同じ連絡で扱えるかどうかも契約先によります。継承と新規契約の可否、未払いの扱いを先に確かめてから、どちらにするかを決めてください。

公開されている扱いの型 契約の扱い 未払いについて確認する点
契約を終了して結び直す 旧契約を終え、新しい名義で新規契約 終了までの料金を誰が精算するか
継承して引き継ぐ 権利と義務をそのまま引き継ぐ 請求中の支払いも引き継ぐかどうか
引き継ぎの要否を選べる 継承か、終了して新規かを選ぶ 引き継がない場合の手続きの順番

上の型は電気の案内から読み取れるものです。ガスと水道は契約先ごとに扱いが異なるので、同じ枠で1つずつ確かめてください。

相続放棄を考えているときは支払いの前に相談

相続放棄を検討している段階では、故人の財産から公共料金を支払う前に、弁護士や司法書士など相続放棄の申述を扱う専門家へ相談してください。支払いが相続の承認と受け取られる可能性があるかどうかは、状況によって判断が分かれます。

相談するときは、故人の財産から払ってよいか、自分の財産で立て替える場合はどうか、解約の連絡そのものを先にしてよいか。この3つをまとめて聞いておくと、連絡の順番まで決まります。

当サイトは法律判断ができる立場ではないので、ここでは相談を勧めるにとどめます。放棄を選んだあとに何が残るのかは相続放棄のデメリットは?実家を手放す前の確認点にまとめてあります。期限の並びは相続手続きの期限一覧|起算点と後回しにできない順番で確かめられます。

(出典)九州電力:契約名義を変更するにはどうすればよいですか?/(出典)東京電力エナジーパートナー:名義を変更したい/(出典)北海道電力:ご契約名義の変更

連絡の前にそろえる情報と電気の止め方の手順

食卓に電気・ガス・水道の請求書を並べて確かめている手元

連絡のときに聞かれることは、電気・都市ガス・LPガス・水道の4つでほとんど同じです。先に一度そろえておけば、電気・ガス・水道を続けて片付けられます。

進め方は3つです。契約先を確かめる、下の情報をそろえて連絡する、停止日と立会いの要否をその場で決める。契約ごとに違うのは、契約先が分からないときの追い方と、立会いの要否の決まり方です。LPガスには、これに供給設備の撤去を求めるかどうかが加わります。

聞かれるのは、契約者の名前、住所、契約番号、いつ止めたいか、最後の請求をどこへ送るか。この5つがそろっていれば、電話1本で日程まで決まることもあります。そろっていないと、調べ直して掛け直すことになります。

契約先が分からないときは手がかりをたどる

検針票も明細も見つからないことがあります。その場合は、通帳や口座の入出金の記録と、郵便物の差出人からたどります。

通帳や郵便物をもう一度見ても分からないときは、クレジットカードの利用明細をたどります。それでも分からないときは、住所から契約の有無を確かめられるかを窓口に聞いてみてください。

  • 電気:その地域で電線や電柱を管理している会社(一般送配電事業者。小売の契約先とは別に、地域ごとに決まっています)
  • 水道:実家がある市区町村の水道の窓口
  • 都市ガス:地域によって供給する会社が分かれるので、実家の住所で供給している会社を調べて問い合わせる
  • LPガス:ボンベに貼られた表示から販売事業者をたどる

電話をかける前に、住所と建物の所在が分かる資料を手元に置いておくと話が早く進みます。手がかりの置き場所は、このあとの「伝えることと確かめること」の表にもまとめています。

伝えることと確かめることを4つの契約で一度に整理

電力の小売営業に関する指針は、小売電気事業者が解除の申し出を受けたときに「氏名、住所及び契約者番号のすべてを確認する等」の方法で本人確認をすべきだとしています。これは電気についての指針で、3つの確認は本人確認の方法の一例として挙げられています。実際に何を求められるかは契約先によりますが、ガスと水道の窓口で聞かれるのも、おおむねこの範囲です。

残る「いつ止めたいか」「最後の請求をどこへ送るか」は、本人確認とは別に、その場で決めるために要ります。

下の表にまとめました。ガスと水道の章では同じ一覧を繰り返さないので、連絡のときはここへ戻ってください。

項目 電気 都市ガス LPガス 水道
契約番号 検針票・明細 検針票・明細 契約書面(無ければボンベの表示から販売事業者へ) 検針票・納入通知書
停止希望日 使い終える日 使い終える日 使い終える日と撤去の希望 使い終える日
最終請求先 送付先と支払方法 送付先と支払方法 送付先と支払方法 送付先と支払方法
本人確認できるもの 氏名・住所・契約番号 同左 同左 同左
立会いの要否 原則不要だが設備による メーターの場所で変わる 契約先に確認 事業者に確認

電気の停止時の立会いと再開条件を窓口で確認

ある小売電気事業者の案内では、電気の使用開始と停止は原則として立会いが不要とされています。ただし設備の状況によっては立会いが必要になることがあります。申し込みのときに、実家がどちらになるのかを契約先に確かめてください。

再び使う予定があるなら、そのときに何が要るのかも一緒に聞いておいてください。「原則不要」は「どの家でも不要」という意味ではありません。

(出典)資源エネルギー庁:電力の小売営業に関する指針/(出典)東京電力エナジーパートナー:電気・ガスの使用開始・停止の際、立会いは必要ですか

ガスの閉栓で立会いが要るのはどんなときか

門扉から屋外のガスメーターまでの通路が分かる住宅の外観

都市ガスの閉栓に立会いが要るかどうかは、作業する人がガスメーターのところまで到達できるかどうかが主な分かれ目になります。屋外にあって施錠されていなければ、立会いなしで済むことが多くなります。

貸与されている警報器がある場合など、別の理由で立会いになることもあります。そして立会いが確実に要るとされているのは、止めるときではなく再び使い始めるときのほうです。

同じ都市ガスでも、メーターが門の外にあるのか、施錠した敷地の中なのかで必要な段取りが変わります。連絡の前に、実家のどこにメーターが付いているかを見ておいてください。

メーターまで立ち入れるかで閉栓の立会いが決まる

ある都市ガス事業者の案内には、次のように書かれています。

  • 「お立ち会いが必要かどうかは、ガスの使用中止作業(閉栓)を行う弊社の作業担当者だけでガスメーターの設置場所まで立ち入れるかどうかにより異なります」

施錠された屋内にメーターがあるなら立会いが要り、屋外で作業担当者だけ入れるなら要らないことが多い、という分かれ方です。ただし、メーターに到達できるかどうかだけで決まるわけではありません。別の事業者は、オートロックの建物などで作業員が一人で立ち入れない場合に加えて、貸与している警報器を設置している場合も立会いの対象に挙げています。

法律は調査のための立ち入りに承諾を求めている

ガス事業法の第159条第2項は、ガス小売事業者に消費機器の調査を義務づけています。ただし、と続けてこう書かれています。

  • 「その消費機器を設置し、又は使用する場所に立ち入ることにつき、その所有者又は占有者の承諾を得ることができないときは、この限りでない」

この条文が定めているのは消費機器の調査で、閉栓の作業そのものではありません。ただ、法律が調査という場面で承諾を前提にしていることからも分かるように、他人の敷地や屋内へ立ち入るには承諾できる人が要ります。ただしこの条文は閉栓の立会いの条件を定めたものではありません。閉栓については、メーターまでの立入り方法、鍵の受け渡し、立会いの要否を契約先に確かめてください。

無人の実家では、承諾できる人をあらかじめ決めておくことになります。誰が鍵を持ち、誰が立ち会えるのかを家族のあいだで先に決めておくと、調査でも閉栓の作業でも日程の調整で止まりません。

ガスを再び使うときは開栓の立会い日程を組む

開栓のほうは扱いが違います。先の事業者は開栓について「ガス漏れ検査や点火確認を行うため住居内に入らせていただきますので、必ず立ち会いをお願いいたします」と書いています。

売却や賃貸で次の人が使うなら、その人の予定に合わせて開栓の日を取ることになります。閉栓は比較的自由に決められても、開栓は人がそろう日でないと進みません。

(出典)大阪ガス:ガスの使用中止(閉栓)の作業には、立ち会いは必要ですか?/(出典)東京ガス:引越しのガス使用停止作業は立会いが必要か知りたい。/(出典)e-Gov法令検索:ガス事業法

LPガスは閉栓と設備の撤去を分けて進める

プロパンガスと呼ばれるLPガスでは、使用を止める連絡だけでは終わらないことがあります。ボンベや調整器などの供給設備は販売事業者の所有になっていることがあり、その場合は撤去が別の手続きになるからです。

撤去は、解除を申し出たうえで撤去を要求してはじめて義務になります。要求してからの目安は、原則として1週間以内とされています。

契約のときに渡された書面が残っているなら、それが手がかりになります。所有と費用の負担は、その書面に書くことが決められているからです。

契約書面で供給設備と消費設備の所有者を確認

LPガスの契約では、契約のときに渡される書面に記載する事項が決められています。そこには供給設備と消費設備の所有関係、設置や撤去に要する費用の負担の方法、配管の所有権を移すときの精算額の計算方法が含まれます。

手元の契約書面を先に開いてください。書面が見つからない場合や、読んでも所有関係が分からない場合は、販売事業者に確かめることになります。

撤去は解除の申し出と撤去の要求がそろって義務になる

液化石油ガス法(液石法)の施行規則の第16条第十六号は、販売の方法の基準としてこう定めています。

  • 「一般消費者等から液化石油ガス販売契約の解除の申し出があった場合において、当該一般消費者等から要求があった場合には、液化石油ガス販売事業者はその所有する供給設備を遅滞なく撤去すること」

つまり、解除を申し出るだけでは足りず、撤去してほしいと伝える必要があります。「遅滞なく」の目安について、資源エネルギー庁の運用解釈の基準は「原則として一週間以内にその所有する供給設備を撤去すべきである」としています。起算点は撤去の要求で、同じ基準は「一般消費者等(契約の当事者)から要求があった場合には、その後、事情の許す限り最も早く」と説明しています。

ただし同じ基準は、日時を指定して撤去を請求できる権利を与えたものではなく、合理的な期間内での撤去を定めたものだとも書いています。

配管の精算条件は契約書面の記載で見る

供給設備の撤去を求めるかどうかと、消費設備に係る配管のうち販売事業者が所有するものを引き取るかどうかは、別の判断になります。書面の該当箇所で撤去費用の負担と配管の精算の条件を確かめたうえで、それぞれを決めてください。

同じ条の第十七号は、消費設備に係る配管のうち販売事業者が所有するものについて「適正な対価で一般消費者等に所有権を移転すること」とも定めています。ただしこの定めには「当該一般消費者等が別段の意思表示をする場合」を除く、という条件が付いています。配管を引き取らない考えなら、そのことを解除の申し出と一緒に契約先へ伝えてください。精算額の計算方法は契約書面の記載事項なので、請求されてから考えるのではなく、先に見ておくほうが確実です。

立会いの条件は都市ガスと同じとは限らない

LPガスの閉栓に立会いが要るかどうかについて、当サイトでは公的な資料や統一された案内を確認できていません。ボンベや調整器の回収がある以上、都市ガスと同じ「メーターに到達できるか」だけで決まるとは限らないと考えたほうが安全です。

設備の取り外しを自分でするのも避けてください。業界団体も「消費者が撤去することはできません。LPガス設備の撤去は、国家資格である液化石油ガス設備士の資格者が行うことになっています」と案内しています。

この章で契約先に聞くのは、次の4つです。

  • 閉栓の作業に立会いが要るか
  • 撤去の作業に立会いが要るか
  • 閉栓と撤去でそれぞれ何日かかるか
  • 撤去に要する費用は誰の負担になるか

自分で決めて伝えるのは、次の2つです。

  • 撤去を要求するかどうか(要求しないと義務になりません)
  • 消費設備に係る配管のうち販売事業者が所有するものを引き取るかどうか

(出典)e-Gov法令検索:液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律/(出典)e-Gov法令検索:液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則/(出典)資源エネルギー庁:液石法施行規則の運用及び解釈の基準/(出典)全国LPガス協会:LPガスに関するよくある問合せ(Q&A)

水道は使用中止と廃止のどちらかを選んで届ける

片付け途中の室内で水道を使って掃除をしている場面

水道で決めるのは、使用中止と廃止のどちらを選ぶかです。再び使う可能性が少しでもあるなら使用中止、将来にわたって使う予定が全く無いと決まっているなら廃止、という分かれ方になります。

違いは前のほうの章で示したとおりなので、ここでは選ぶときに何を見るかに絞ります。

迷う場面が多いのは、売却先がまだ決まっていないときです。廃止にすると再開に工事が要るので、決まっていない段階では使用中止のほうが扱いやすくなります。

使う予定が全く無いと決まっているかで選び分ける

水道法の第15条第2項は、水道事業者に「当該水道により給水を受ける者に対し、常時水を供給しなければならない」と定めています。この義務は給水を受ける関係があるあいだのものなので、廃止は料金だけでなく、その関係そのものを終える選択になります。

土地を手放して建物も残さない場合でも、買主が水道を使う予定かどうかを確かめ、水道事業者と相談したうえで廃止するかどうかを決めてください。廃止したあとに同じ場所で水を使うには、加入金の納付と引込工事から始めることになります。金額と負担の区分は事業者で分かれます。前のほうの表で示した「再び使うときの確認」の差は、ここから生まれます。

廃止を選ぶ前に、次の4つを確かめてください。

  • これから先、その場所で水を使う予定が本当に無いか
  • 建物を残すのか、解体するのか
  • 廃止したあとに再開するとき、加入金や工事がどうなるか
  • メーターボックスや止水栓を残しておく必要があるか

一方で、売却先が決まっていない、建て替えの可能性がある、といった段階なら使用中止のほうが戻しやすくなります。通水を残すなら、見回りの間隔と担当の決め方は空き家の管理は何をする?頻度と代行の使い方で扱っています。

扱いが自治体で分かれるのは供給規程があるから

同じ「水道を止める」でも、手数料の有無も工事費の負担も自治体で違います。これは水道法の第14条第1項が、水道事業者に「料金、給水装置工事の費用の負担区分その他の供給条件について、供給規程を定めなければならない」としているからです。

条件を決めているのはそれぞれの水道事業者なので、一般的な相場を調べるより、実家がある市区町村の水道事業者の窓口に直接聞くほうが正確です。

給水装置は所有者の財産として扱われる

水道法の第3条第9項は、給水装置を「需要者に水を供給するために水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具」と定めています。配水管から先は、その家の側の設備という整理です。

給水装置が家の側の設備として整理されていることを前提に、供給規程で修理費を所有者の負担と定めている事業者が多くあります。ただしこれは供給規程による扱いなので、法律がそう決めているのではなく、事業者の定めを見ることになります。凍結で壊れたときの負担もここに関わります。

(出典)e-Gov法令検索:水道法/(出典)大田市:廃止と閉栓の違いについて

空き家に残る凍結・郵便・受信契約の後始末

空き家の玄関先で予定を書き込んだ紙を見ている場面

ライフラインを止めたあとにやり残しが出やすいのは、最初の冬の凍結と、宛先の残った郵便です。テレビや配信の受信契約も、届け出の対象になります。

凍結への備えは水抜きと保温、郵便の転送は届出日から1年。どちらも期限や条件がはっきりしているので、止める日と一緒に決めておけます。

どれも、忘れていても誰かが知らせてくれるものではありません。郵便は届け出が遅れるほど旧住所に届き続けます。止める日を決めた時点で、一緒に日程へ書き込んでおくほうが確実です。

気温が下がる前に水抜きと保温を確かめておく

国土交通省は、最低気温が−4℃以下になるときや、旅行などで長期間水道を使わないときに給水管の凍結へ注意するよう呼びかけています。備えとして挙がっているのは、給水管に保温材を巻くことと、排水できる場合にあらかじめ水を抜いておくことです。

凍ったときに熱湯をかけると給水管が破裂することがある、という注意も付いています。−4℃より高ければ凍らない、という話ではありません。ここで扱うのは、電気や水道を止める前に確かめて済ませておく備えです。ブレーカーを落としてから水抜きをするのでは順番が逆になります。その後の繰り返しの見回りは空き家の管理は何をする?頻度と代行の使い方の範囲になります。

長く水を流さない排水口はにおいが上がることがある

排水口には、においや虫が上がってこないように水がたまる仕組みがあります。長く水を流さないとその水が減り、においが上がってくることがあります。

当サイトではこの点について公的な資料を確認できていないので、断定はしません。ただ、止める日に家を出る前に、台所・洗面・浴室・洗濯機の排水口へ一度ずつ水を流しておくのは、その場で終わる備えです。水抜きをする場合は、どこまで抜くのかを含めて水道事業者に確かめてください。

郵便転送は届出日から1年、請求先そのものも切り替える

日本郵便の転居・転送サービスは、転居届を出すことで1年間、旧住所あての郵便物等を新住所へ無料で転送します。転送期間は「届出日から1年間」で、転送を始めてほしい日から数えるのではありません。

1年で切れますが、再度の手続きでさらに1年更新できます。根本的には、請求書や通知の宛先そのものを切り替えるほうが確実です。

なお、名義人が亡くなっている場合に誰の名前でどこまで届け出られるのかは、郵便局の窓口で確かめてください。当サイトでは統一された案内を確認できていません。

転送不要の郵便と転居届の登録にかかる日数

転居届を出しても、「転送不要」と書かれた郵便物は転送されません。金融機関からの重要な通知にはこの指定が付いていることがあります。

もう1つ見落としやすいのが日数です。日本郵便は、転居届を提出してから登録までに3〜7営業日を要すると案内しています。実家を離れる日のあとに出すと、そのあいだの郵便が旧住所に届き続けます。

受信契約は要しなくなったときに直ちに届け出る

放送法の第64条第1項は、受信契約を結ばなければならない人を「特定受信設備を設置した者」「特定必要的配信の受信を開始した者」と定めています。テレビの有無だけでなく、配信の受信を始めたかどうかも条件に入ります。

NHKの受信規約の第9条は、受信機を廃止するなどして受信契約を要しないこととなったときは、直ちに届け出ると定めています。解約の主な事由にはテレビの廃棄や故障のほか、住居に誰も住まなくなる場合や世帯の消滅も挙がっています。届け出先はNHKで、申し出の方法はNHKの案内で確かめられます。

ライフラインと一緒に整理しておきたい契約と届け出をまとめます。

  • 電気・都市ガスまたはLPガス・水道の契約
  • NHKの受信契約
  • 郵便の転居届(宛先そのものの切り替えも)
  • 新聞や定期配送、インターネット回線などの継続的な契約
  • 口座振替やクレジットカードの支払い設定

スマートフォンや口座から契約をたどる手順は、デジタル遺品の整理はどうする?スマホと口座の調べ方を見てください。

(出典)国土交通省:上下水道:給水管の凍結に注意してください/(出典)日本郵便:転居・転送サービス/(出典)e-Gov法令検索:放送法/(出典)NHK:日本放送協会受信規約/(出典)NHK:受信契約の解約

実家の電気・ガス・水道の解約でよくある質問

まとめて止まるのか、いつ戻せるのか、いつまでに名義を変えるのか。これらはどれも一律には決まらず、設備の操作と契約の手続きを分けて契約先に確かめることになります。

以下は、調べているときに出てきやすい問いに、この記事で確かめられた範囲で答えたものです。資料に書かれていないことは、書かれていないと答えます。

日数や期限を一律に示した公的な資料が無い問いでは、どこに聞けばよいかまでを書きました。そのぶん歯切れは悪くなりますが、確かめる先ははっきりします。

実家の電気・ガス・水道はまとめて解約できる?

1回の連絡で全部が終わるとは考えないでください。電気・ガス・水道はそれぞれ別の契約で、窓口も違います。同じ会社が電気とガスをまとめている場合は一度の連絡で進むこともあるので、契約先ごとに「ここで何が終わるのか」を確かめるのが確実です。

全部解約すれば空き家の維持費はかからない?

料金は止まっても、家そのものの負担は残ります。固定資産税と火災保険は続き、草木や建物の管理も要ります。空家等対策の推進に関する特別措置法の第5条も、所有者等に適切な管理に努めるよう求めています。残るものの全体像は空き家を放置するとどうなる?税金・罰則・近隣トラブルにまとめてあります。保険は空き家の火災保険はどうなる?継続の可否と保険料、税は空き家の固定資産税は6倍になる?条件と正しい計算が詳しいです。

水道の使用中止やガスの閉栓後はすぐ戻せる?

使用中止も閉栓も申し込みで再開できますが、何日かかるかを示した公的な資料を当サイトでは確認できていません。都市ガスの開栓は立会いが要るとされているので、人がそろう日を取る必要があります。LPガスは条件が違うことがあるので、契約先に確かめてください。水道を廃止していた場合は工事から始まるので、再開の意味が変わります。ガスは閉栓を申し込んだ契約先、水道は実家がある市区町村の水道事業者に、申し込みから何日で使えるようになるかを聞いてください。

名義人が亡くなった場合の変更期限はいつまで?

全国一律の期限を定めた公的な資料を、当サイトでは確認できていません。契約先に手続きの時期を聞いてください。相続の手続き全体には期限があるものが含まれるので、そちらは相続手続きの期限一覧|起算点と後回しにできない順番で確かめられます。

ブレーカーを落とせば電気代はかからない?

ブレーカーを落とすことは設備の操作なので、落としても契約は続きます。契約が続く限り、契約先の条件による料金は発生します。水道も同じで、届け出が無いと使っていなくても基本料金がかかると案内する事業者があります。料金を止めたいなら、操作ではなく手続きのほうを進めてください。

(出典)e-Gov法令検索:空家等対策の推進に関する特別措置法

まとめ|止める前に確かめる順番と戻すときの条件

確かめる順番は、契約先・家の設備・実家の用途・名義の4つです。この順に埋めていくと、止める日が自然に決まります。

戻すときの条件は止め方で変わります。決める前に再開の条件も見ておくと、申し込みで再開できる止め方と、工事や設備の設置が必要になる止め方を取り違えずに済みます。

金額はいちばん後ろでかまいません。手数料も工事費も事業者によって分かれるので、条件をそろえてから聞いたほうが、返ってくる答えもはっきりします。先に決まるのは順番のほうです。

確かめる順番は契約先・設備・用途・名義の4つ

検針票と引き落とし明細を集めて契約先と契約番号を書き出し、現地で電気が要る設備を数えます。そのうえで解体か売却か賃貸か当面の管理かを決め、名義と未払いの扱いは契約先への相談で確かめます。ここまで済ませてから停止や名義変更を正式に申し込むと、往復が減ります。

この記事の前半で扱ったのは、その順番そのものです。実家じまい全体の進み方は実家じまいとは?進め方の全手順と費用相場を順番どおりに解説にまとめてあります。

止め方を決める前に、戻すときの条件を見ておく

電気の契約終了もガスの閉栓も水道の使用中止も、申し込みで再開できます。水道の廃止とLPガスの供給設備の撤去では、再び使うときに工事や設備の設置から始めることになります。

使った分の料金の精算はどの契約でも起きます。それとは別に、撤去の費用と配管の精算の条件も確かめてください。

迷っているうちは、戻しやすいほうを選んでおくという決め方ができます。使う予定が無いとはっきり決まった段階で、廃止や撤去に進めば十分です。

停止や名義変更を正式に申し込む前に、契約先への相談も含めて次の確認を済ませてください。

  • 契約先と契約番号を、電気・ガス・水道それぞれ書き出した
  • 浄化槽・給湯器・防犯設備・井戸ポンプの有無を現地で確かめた
  • 解体・売却・賃貸・当面管理のどれかを決めた
  • 継承する場合と一度終了して結び直す場合で未払いの扱いがどう変わるかを契約先に確かめ、そのうえでどちらにするか決めた
  • 停止日・立会いの要否・再開の条件を聞いた

進め方で迷ったときはお問い合わせからご相談ください。個別の判断はお答えできませんが、確認の順番の整理はお手伝いできます。

タイトルとURLをコピーしました